2026年8月22日土曜日

感想文の嘘っぽさ

研修が終わると、決まって出される「感想文」の宿題。振り返りや評価のためだとは分かっていても、昔からどうにも「嘘くさいな」と感じてしまう。思い返せば、小学生のころ書かされた読書感想文からずっとそうだ。

自分の素直な読後感を見つめ直し、それを言葉にするのは案外むずかしい。「面白かった」「学びがあった」と一言で済ませるなら簡単だが、人に読ませる文章として気持ちをアウトプットするには、相当なスキルがいる。ましてや文脈を無視して、万人の共感を呼ぶ文章なんてそう書けるものではない。

新卒で銀行に入行したとき、課題で出された読書感想文で賞をもらったことがある。選んだのはヘミングウェイの『老人と海』。……だが実はこれ、頭の固い支店長や銀行組織に対する「密かな当てつけ」を込めて書いたものだった。選考した人事部の担当者も、きっと同じような閉塞感やうっぷんを抱えていて、それがツボにハマったのだろう。

結局のところ、感想文やレビューが刺さるかどうかは「文脈の共有」にかかっている。

さて、あなたがどこかで目にする誰かの受講感想。そこに届いてくるのは、一体どんな文脈だろうか。「問題意識」や「自己認知の更新」、その「場の空気」——自分だけの文脈に気づき、腹に落とし込んだものこそが、本当の意味での「あなただけの感想文」なのだと思う。