2013年7月9日火曜日

30代のタレントマネジメント

今日、「宇宙飛行士界に見る、30代から「伸びる人」」という記事が出ていました。宇宙飛行士の選考においてもっとも注目しているのは「伸びる人」か否かということだそうです。これは、多くの企業の新卒採用に関しても議論されるテーマです。学生には「即戦力の誤解」があり、資格や成果、実績に目を向けがちですが、企業の人事が見ているのは、行動やコンピテンシーを通じて入社後の活躍の見込みと、特に「伸びしろ」です。

宇宙飛行士の選考において「コミュニケーション」「チームワーク」「リーダーシップ・フォロワシップ(補佐力)」など、一般的な項目も重要視していますが、「伸びる人」として「未知のことを面白がることができる人、失敗を恐れない人」を注目する背景には少し、注意が必要です。それは、まず、ベースとしてしっかりと仕事を遂行することが出来ることです。つまり、ちゃんと仕事が出来て、そのうえで失敗を恐れず未知の事に挑める人なのです。

選考の課題のなかで、「ちゃぶ台返し」があります。チーム課題の提出間際に、ダメ出しをして、その後の対応を見る課題です。この課題に合格する人は、まさに、未知の状況で我を失わず課題達成に向けて一歩を踏み出す人ですが、チーム課題をしっかりとやったうえでの「ちゃぶ台返し」ですので、そこに至らない場合は論外という事でしょう。

さて、キャリアの上で30代は、社会人になって10年くらいが経ち、「一人前」のレベルに熟達している年代です。つまり、「しっかりと仕事を遂行出来る」年代ですので、質の違いはありますが、多くの組織の中で宇宙飛行士と同様に「ここから伸びる人」という視点で見極められていると思います。実際の仕事の中で「ちゃぶ台返し」に出会う事も多く、そこでの対応によって期待されたり見切られたりしているのだと思います。

一方で、組織の中の30代はキャリアの移行期にあたり不透明感、不安感を持っています。これは、キャリア・ミストと定義されますが、35歳を境にマネジャー昇進への可否、採用募集の激減、女性では出産といったことなどを背景に、「今の仕事でさらに成長出来るのか」「これから何を目標とするのか」といったことに悶々しているようです。


このように30代は「さらに伸びる盛りの極み」と「板挟みで霧の中」の2つのモードの中で揺れ動く年代であり、組織においては非常に重要な年代と認識しなくてはなりません。
タレントマネジメントの視点「活かす」「伸ばす」で考えると、30代を活かし、伸ばすためには、アセスメントと課題の遂行によって「モード」と「伸びしろ」を見極めることが大切です。そして「モード」×「伸びしろ」の4象限においてマネジメントを実施することが経営レイヤーでのタレントマネジメントの目標である、組織における人的資本の最適ポートフォリオへの道となると考えます。


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