経団連の新卒採用に関する倫理憲章に合意している大手企業の選考がいよいよ8月1日から始まります。
経団連に参加している企業でも、遵守派とそうでもない派があり、すでに内定を出している大手企業、それに積極的に採用活動を展開している中小企業など、新卒採用で活動している企業は固唾を飲んで1日を待っている状態です。
しかし、実態的には全ての企業で選考「的」活動は進んでいて、8月1日に何が起きるか想像するに、選挙の開票のようにいきなり合否が学生に晒されるのでしょう。
就活をしている学生も大変だと思います。おそらく、今のスケジュールは長く続かないでしょうが、一刻も早く、変えるべきではないでしょうか。
さて、複数の企業から内定をもらった学生は、8月1日以降、本命を決めなければなりません。
必然的に発生するのが内定辞退です。
採用を行う企業は、きっと今年はかなりの辞退を覚悟していることでしょう。
内定辞退をする人の傾向(といっても、最終的にはどこかに承諾するので判別は微妙ですが)には2つの傾向があります。
それは、
1.機転を利かせてより良い条件を選ぶ傾向
2.身の丈を考えて自分に合った環境を探す傾向
です。
より良い条件を選ぶ傾向には、他者からの評価をあまり気にしない特性も見えてきます。
内定辞退を申し出ることは、それまで、いい関係であった企業の採用担当者との信頼関係を壊すことになりますからそれ相応のストレスが発生します。そのストレスへの耐性がある人が積極的に内定を辞退するのでしょう。
一方で、身の丈を考える謙虚な辞退者は、保守的な傾向も見えてきます。優秀で、堅実な学生は、挑戦的で刺激的な企業よりも社会にしっかりとした基盤を持っている企業を選択すると考えられます。
2年前にも内定辞退をブログで取り上げました(「
88%の確率は高いのか、低いのか」)が、これらの傾向はかなりの精度で見極めが可能です。
人の居場所の予測率であるファノ不等性係数は平均93%と、人の行動の多くは習慣化されていることがわかっていますから、内定辞退がパーソナリティから正確に予測されることは驚きではないのかもしれません。
しかし、選考時期がかわった今年、以前のモデルが同等の精度を出せるのか気になるところです。
そして、予測が出来た後にどうする(辞退を防ぐor防がない)かは、予測よりも大きな判断と決意が必要になります。
採用担当者は、「この学生にはなんとしても残って欲しい」「この学生は辞退するかもしれない」と、個別に考えているでしょうから、前者に対して具体的なアクションがとられます。
基本的には、自由意志の世界なので絆を強くすることが目標です。
絆には、以下の要素(学生から見た)から構成される、マインド、環境、意識の要因がありますが、この部分だけ見ると、採用担当者の活動は何ら人的マネジメントの実践、育成と違いがありません。
マインド
親和性・・・・・承認されている
有能感・・・・・力が活かせる
効力感・・・・・自分にできる
有意義感・・・・役立つ実感
環境
居場所・・・・・存在可能な状況(社会性と経済性)
役割・・・・・・ミッションと手段(キャリアプランなど)が提供される
意識
目的納得性・・・仕事を自分事化する
意見の一致・・・疎通できる
幸福への関心・・相手が自分の幸福について強い関心を示している
つまり、採用活動における内定辞退の防止には、高いマネジメントスキルが必要なのです。
事実、辞退率を改善している企業が実施していることは、学生の個性をより広く、深く理解しようとする姿勢とそれに応じたマネジメントです。
ただ、組織内で行われる通常のマネジメントと比べて、制約条件があります。
それは、
1.極く短期で結果が出る
2.マネジメントにおける仕事の側面が無い
ことです。
要は、「時間をかけてじっくりと」や「試行錯誤」「やり直し」が効かないガチ勝負、ということですね。マネジメントスキル+事前準備、戦略、即興性の充実度が勝負を分けます。
一部には、長期にわたる活動で学生はかなり疲弊しており、早期に就活を終えている学生も数多く見られる、という声も見られますので、8月1日以降も新卒採用状況から目が離せません。
行く人