アメリカでPG&Eという大企業相手の訴訟に勝った女性を描いた映画、「エリン・ブロコビッチ」は主演ジュリア・ロバーツの好演もあってアカデミー賞を受賞しました。
今年のアカデミー賞が近づく中、その映画がTVで放送され久しぶりに観たのですが、コッターの理論に沿ってリーダーシップとマネジメントの視点で見るととても興味深いものとなりました。
以下、ネタバレになるので観たことが無い人はご注意ください。(大したことは書いていませんが、映画を観てからのほうが良いと思います。)
さて、ここでは、主役であるエリンを中心に特徴的な行動を記載します。【】で括っているのは行動を概念化したものです。
マネジメントに関する行動
【事実把握】
書類に疑問を持ったエリンは自ら当事者に会いに行き病気と汚染の事実を知る
【分析】
病気と汚染の間にある関係性を放置せず、専門家に意見を求め問題を明らかにする(ミスウィチタだった私がなぜ・・・という自らへの問いが分析への気づきを与えた)
【考察】
どのように解決したらよいかボス(弁護士)に相談する
【検討】
ボスは相手企業の体力を考えPG&Eの若手弁護士のオファーを断る
【案出】
ボスはパートナーとなった外部弁護士のアイデアなどを比較検討して自らの案を決めている
【吟味】
ボスは思いで突っ走るエリンに対して大手との交渉の仕方など他の視点を忘れず常に負けたときも計算している
【判断】
金銭面など様々な状況を勘案し他の有力弁護士と組むことを決める
【選択】
調停を選択し、同意書をかき集める選択を行う
リーダーシップに関する行動
【発信】
自分の仕事としての責任と騙されながら病気に苦しむ住人を助けたいと本心から願う
【傾聴】
住人の言葉をしっかりと受け止め信頼を勝ち取る。気に入らない案でも聞きとめ理解し受け入れる
【指導】
有力な証言、物証がとれる重要な場面では指導を仰ぎ、ボスは夜中でもツボを伝授する
【支援】
ジョージやボスの支援を受ける一方、病気の住人の精神的支援を常に行っている
【折衝】
相手弁護士に汚染した水を出し鼻っ柱をへし折り、相手のペースにしたたかに巻き込まれない
【説得】
調停に反対する住人を説得し600件以上の同意書を集めきる
このように整理するとエリンはマネジメント力が弱く、それをボスとの連携で乗り切っていることがわかります。特に、考察、検討、案出、吟味では経験や知識の無さもあってボスの力が無ければ乗り越えられなかったでしょう。
一方、リーダーシップに関しては強みを持っていることもわかります。とくに、打算の無い、親身で真摯な思いは周りの人を動かす原動力となっています。これは、ボスや、パートナーとなった外部弁護士に欠けているものです。
マネジメントを実践する人にとって、マネジメント力とリーダーシップ力の両方を備えていることは理想的かもしれません。
しかし、映画のように、相互補完しあい、目的を達成するほうが現実的です。
兎角、マネジメントやリーダーシップを難しく考えがちですが、映画のようにシンプルなストーリーで捉えると日常的て現実的な行為であることがわかります。
リーダー?マネジャー?