全てのゲームには「モンダイを解決せよという命令」が与えられている。
命令を果たすと達成感という内在する報酬や、金銭などなんらかの外的な報酬を得ることができる。
だから僕たちはゲームをしたり、観たりするのが好きだし、さまざまな「モンダイ」をゲーム化することも好きなのだろう。
そこで今晩の僕の思考ゲームは「人と組織のブラックボックス」だ。
戦略的人的資源管理論において人的資源管理と企業業績の因果関係はずっとブラックボックスであると言われてきている。
様々な説明要因を用いて解明しようと取り組まれてきたけど景気や法令など日々複雑に変化する経営環境などもあって理論的基盤は確立できていないのだそうだ。
つまり、採用や人材育成などの人事施策、そして評価や報酬などの人事制度などによって企業業績がどれだけプラスされたのか(もしくはマイナスになったのか)は説明がつかないのである。
そもそも外部環境の変化以前、人は根本的に機械と違って特性や価値観が多様だし組織になれば複雑な相互の関係を持つから解析できない、というのが実際なのかもしれない。
また、企業活動において条件を統制した比較実験をするわけにもいかないから施策や制度の効果を正確に測定することは無理である。
では、因果関係がわからないのになぜ、企業は戦略的に人的資源を管理したりタレントマネジメントを行おうとするのだろうか。
逆に、何を根拠に人事施策や人事制度の優劣や良し悪しを語っているか、僕はとても不思議に感じる。
時に政治的な判断にも思えるね。
それは職場の人間関係がギスギスしているより良好な方が働く人にとっては好ましいかもしれないけど企業業績が下がったらそうも言ってられず、リストラがはじまる。
ギスギスしているけど業績は右肩上がり、なんていう企業も世の中に少なくない。
結局、企業は人的資源管理と企業業績の全体的な因果関係より、実務ごとの部分解に向き合わざるを得ないのかもしれない。
さて、僕がこのブラックボックス問題に向き合うとしたら哲学の善の概念「未来の人々を含め人間の協調する空間を増やすこと」(マルクス・ガブリエル)、が役立つと思う。
SDGsのような包括的な枠組みも思い浮かぶけれど、身近な人と組織においては「協働意欲」が善の概念である。
「協働意欲」は、
- 主体性のある存在感
- 自律した行動傾向
- 誠実で他者を敬う態度
- 他者を傾聴し対話する感情統制
と分解することが出来るだろう。
「協働意欲」は多様な特性や価値観を受入れ、複雑な相互の関係を良くする。
そして、今日、企業の社会的責任において「善」がより強く求められ、「善」に背いた場合には社会的な制裁を受けることを考えれば、企業業績という短期的な視点よりもっと重要な企業の存在意義そのものであると言えるのかもしれない。
確かに業績には運不運もあるから戦略的人的資源管理論と企業業績の因果関係、ブラックボックス問題を解決することはいっそう難しいのかもしれないけど、僕の直感では「善」の組織と企業業績の因果関係は容易に解明できるものだ。