学生が社会人になり新人研修で叩きこまれるのが 報連相である、でも、この報連相を禁止している会社、未来工業残業ゼロなのだ。報連相が重要だと言う素朴理論は長いこと日本の企業を席巻しているその理由は上司(経営者)の不安と恐怖である。以下はハイデガーの存在と時間の一節であるが、現存在(わたしたち)を新入社員、世人(ひと)を上司に読み替えるとわかりやすいかもしれない
日常的 な 現存在 で ある のは 誰 なのか という 問い には、 それ は 世人( ひと) で ある と 答え られる。 この 世人 とは、 誰 でも ない ひと で あり、 この 誰 でも ない ひと に、 すべて の 現存在 は、〈 たがい に 重なり あう よう に 存在〉 し ながら、 みずから を つねに すでに 引き渡し て しまっ て いる ので ある。
わたし たち は、 ひと が 楽しむ よう に 楽しみ、 興じる。 わたし たち が 文学 や 芸術 作品 を 読み、 鑑賞 し、 批評 する のは、 ひと が 鑑賞 し、 批評 する よう にで ある。 わたし たち が「 群衆」 から 身 を 引く のも、 ひと が 身 を 引く よう にで ある。 わたし たち が「 憤慨 する」 のも、 ひと が 憤慨 する よう にで ある。 この 世人 とは 特定 の ひと では なく、 総計 として では ない として も すべて の ひと で あり、 これ が 日常 性 の 存在 様式 を 定め て いる ので ある。
世人 は、 充実 し た 真正 の「 人生」 を 育み、 送っ て いる と 思い込ん で いる ため に、 現存在 の うち に ある 安らぎ を もたらす。 その こと で すべて は「 順調 に 進ん で いる」 ので あり、 この 安らぎ の うち で すべて の[ 可能性 の] 門戸 が 開か れ て いる と、 現存在 に 思わ せる ので ある。
日本放送協会; NHK出版. NHK 100分 de 名著 ハイデガー『存在と時間』 2022年 4月 [雑誌] (NHKテキスト) (p.44). NHK出版. Kindle 版.
このハイデガーの考察のように、現存在から本来的な生き方と責任を奪い、安心を与えるのが報連相なのである。日本の企業がいかに不安に苛まれているかは心理的安全性がバズワードになったことを見てもよくわかる、筆者がかつて1万人規模の大企業組織を丸ごと分析したところ、職位ごとの最適行動はあらゆる職種で異なっていた、要するに社員は職位によって違う仕事をしているのだ、にもかかわらず。1on1や報連相などの濃厚なコミュニケーションを重視するのだろうか、それはまさしく、社員を世人化させたいからなのである、未来工業は、社員に本来的な生き方をさせることで、長時間労働を無くした。
裏を返せば、長時間労働は社員を世人化させる報いなのである同様に、本来的な生き方と責任を奪う事で、セカンドキャリア研修、リスキリングなど、益々不要な労働時間を積み増し、生産性を下げようとしているのだ。































