2023年10月31日火曜日

報連相と心理的安全性が長時間労働を生む

学生が社会人になり新人研修で叩きこまれるのが 報連相である、でも、この報連相を禁止している会社、未来工業残業ゼロなのだ。報連相が重要だと言う素朴理論は長いこと日本の企業を席巻しているその理由は上司(経営者)の不安と恐怖である。以下はハイデガーの存在と時間の一節であるが、現存在(わたしたち)を新入社員、世人(ひと)を上司に読み替えるとわかりやすいかもしれない

日常的 な 現存在 で ある のは 誰 なのか という 問い には、 それ は 世人( ひと) で ある と 答え られる。 この 世人 とは、 誰 でも ない ひと で あり、 この 誰 でも ない ひと に、 すべて の 現存在 は、〈 たがい に 重なり あう よう に 存在〉 し ながら、 みずから を つねに すでに 引き渡し て しまっ て いる ので ある。


  わたし たち は、 ひと が 楽しむ よう に 楽しみ、 興じる。 わたし たち が 文学 や 芸術 作品 を 読み、 鑑賞 し、 批評 する のは、 ひと が 鑑賞 し、 批評 する よう にで ある。 わたし たち が「 群衆」 から 身 を 引く のも、 ひと が 身 を 引く よう にで ある。 わたし たち が「 憤慨 する」 のも、 ひと が 憤慨 する よう にで ある。 この 世人 とは 特定 の ひと では なく、 総計 として では ない として も すべて の ひと で あり、 これ が 日常 性 の 存在 様式 を 定め て いる ので ある。


世人 は、 充実 し た 真正 の「 人生」 を 育み、 送っ て いる と 思い込ん で いる ため に、 現存在 の うち に ある 安らぎ を もたらす。 その こと で すべて は「 順調 に 進ん で いる」 ので あり、 この 安らぎ の うち で すべて の[ 可能性 の] 門戸 が 開か れ て いる と、 現存在 に 思わ せる ので ある。

日本放送協会; NHK出版. NHK 100分 de 名著 ハイデガー『存在と時間』 2022年 4月 [雑誌] (NHKテキスト) (p.44). NHK出版. Kindle 版. 

このハイデガーの考察のように、現存在から本来的な生き方と責任を奪い、安心を与えるのが報連相なのである。日本の企業がいかに不安に苛まれているかは心理的安全性がバズワードになったことを見てもよくわかる、筆者がかつて1万人規模の大企業組織を丸ごと分析したところ、職位ごとの最適行動はあらゆる職種で異なっていた、要するに社員は職位によって違う仕事をしているのだ、にもかかわらず。1on1や報連相などの濃厚なコミュニケーションを重視するのだろうか、それはまさしく、社員を世人化させたいからなのである、未来工業は、社員に本来的な生き方をさせることで、長時間労働を無くした。

裏を返せば、長時間労働は社員を世人化させる報いなのである同様に、本来的な生き方と責任を奪う事で、セカンドキャリア研修、リスキリングなど、益々不要な労働時間を積み増し、生産性を下げようとしているのだ。


漠然とした不安


2023年10月30日月曜日

本来やるべきではなく本来的に生きると言うことあなたは今の仕事にわくわくしていますか?

ダイヤモンド社より刊行された『セルフ・アウェアネス』より大切な事なので引用しておく。 

非常に有能な職業人を調べた膨大な数の調査により、与えられた任務に強い信念を持って臨み、仕事を楽しんでいることと、仕事で高い能力を発揮することの間には強い相関関係があることが明らかになっている。

それは、彼らが最終的に成功できた大きな要因の一つが、自分が好きで情熱を注げることを仕事に結びつけたことだという事実である。 好きになるには、心がわくわくすることが必要だ。好きなこととは、頭で考えて好ましいと思うものではなく、心が喜ぶことである。

好きという気持ちを生み出すのは、正しいことをやっているという信念と、その仕事をしている時に感じる楽しさである。好きという気持ちがあれば、努力を重ねて技術を磨き、苦しい時期を乗り越え、自分の仕事や人生に意味を見出すことができるのだ。

正しいことをやっているという信念とは言い換えれば自己肯定感であって、今の自分が好きだと思える感情だ、この感情は、困難を乗り越えるうえでとても大きな役割を果たす双子起業家として有名な松田崇弥・文登【ヘラルボニー|双子起業家】氏は知的障害者の好きを事業化させた実践者であるが、まさに、知的障害という社会的困難を好きな事という自己肯定感を社会的にサポートして乗り越えている。この困難、~すべき、~であるべきという、べき論では絶対に乗り越えられないものだろう。想像に難くない。べき論とはそもそも、誰かの都合による社会的規範であって、ハイデガー は それ を「 世人( ★ 1)」 と 呼ん で い ます。

彼 に よれ ば、 現存在 は 自分 を「 自分 では ない もの」 によって 理解 し、 非 本来 的 に 生き て い ます。「 自分 では ない もの」 によって 自分 を 理解 する、 ということ は、 誰 かから、 あるいは どこ からか 借り て き た もの を、 あたかも 自分自身 の あり方 で ある かの よう に 思い込み、 それ によって 自分 を 規定 し て いる、 という こと です。   では、 一体 何 が、 こうした「 自分 では ない もの」 を 私 たち に もたらす の でしょ う か。 

現存在 が 世人 の うち に、 配慮 的 に 気遣っ た「 世界」 の もと に 没頭 し て いる こと によって、 現存在 は〈 本来 的 な 自己 で あり うる こと〉 として の 自分自身 から、 いわば 逃走 し て いる こと が 明らか に なる。


日本放送協会; NHK出版. NHK 100分 de 名著 ハイデガー『存在と時間』 2022年 4月 [雑誌] (NHKテキスト) (pp.43-44). NHK出版. Kindle 版. 



2023年10月29日日曜日

十人十色の踊るいい人材論

 「いい人材」に正解は無い、丁度アート鑑賞と一緒なのだ。

恐らくアート鑑賞で一番ダメなのが作者名で優劣をつける見方ではないだろうか。

人材論で言えば出身校偏差値などで優劣をつける見方である。

一時、学歴フィルターという言葉が出たけれど最も残念な採用育成の人材観である。

では、それ以外にどのような採用育成人材観があるのだろうか

活躍する人材成長する人材、定着する人材、困難を乗り越える人材いつもキラキラ輝いて周囲を明るくする人材、誰とでも仲良く出来る人材、メンタルが強くて心折れない人材、指示命令でどんな仕事も嫌がらない忠実な人材、周囲を巻き込める人材、リーダシップを発揮する人材、マネジマントが上手い人材、要するに組織の事情に柔軟に適応し組織に誠実に貢献してくれる人材がいい人材なのだ。

しかし、組織の規範が社会の倫理と対峙している場合、いい人材とは組織の都合に慮り追従するより、社会の規範に則って判断出来る賢慮ある人材ということになる。

要するに、いい、そうでないは文脈に強く依存している仮説なのだ。

いい人材とはその仮説に組織の人間観(レジェンド永久欠番みたいなやつ要は好み)が加わることで生み出される誤った人間観である、だから筆者は何社も、採用や育成担当者にインタビューをしたけれどいい人材とはと言う問いに明確に答えられる担当者は居なかった。

おかしいとも思ったけど答えられなくて当然なのだ。

ただ不思議と採用や施策の振り返りで上司に報告する際にはいい人材が採れましたとなる育成も然り、明確な定義が無いのになぜかああ良かったと手前味噌汁が供えられるのが常だ採用担当者は苦労も多いので功労賞として無粋な指摘はしなかったけれどもね。

とにかく何らかの数字が高ければ良いとなるのは数字の持つ魔力だ。数字は踊るされど組織の人材課題は無くならない。

何故ならばいい人材などというマーベル映画のスーパーヒーローみたいな人材はで実在しないのだ。

目標と課題を持つ組織が人材に期待を持つことは当然である。ピグマリオン効果もあるから期待は無いよりあった方がいいしかしそんな期待で踊らされる側はたまらないよね。




2023年10月28日土曜日

性格地図にキャリアマップ、地図が描く未来の道筋

地図は人間の文明において最も重要な発明の1つに違いない。chatGPTで聞いたら以下のような概要を教えてくれた要するに情報を視覚化することで装置的な関係性を理解出来るようにしたり、特定の場所への経路を計画したり誘導することが可能になる。また、現状の把握だけでなく、未来の計画を策定するのにも役立つものである。情報を平面化し視覚化することで、現在の情報の把握だけでなく、可能性も見つけることを出来るようにする表現方法なのである。地理空間の情報化で用いられるのが物理的な距離という尺度である、

さて筆者はこれまでに性格地図、キャリアマップを作ってきた、性格地図はその人を視覚的に理解する目的で、キャリアマップは、キャリアのこれまでとこれからを把握し、計画するためのものだ、組織におけるキャリアは、部門経験・仕事経験といった質的な緯度経度である業務における地形だけでなく、役割(職位)といった標高の情報もある。要するに3Dな情報だこれに時間軸の情報を加えるとその会社でのその人のルートマップができるわけである。

性格も同様で、相対的な平面情報だけでなく、どのような意識を(価値観、倫理観、信念)を保有し、体現するかでその人の人徳の高さという標高の情報があるのだ、、さて、こういった、性格地図やキャリアマップでは距離に該当する尺度をどうするのかは極めて重要な課題である。

筆者は総体尺度法という統計解析技術を使って性格という、人の内面、だけでなく、経験といった足跡、更にはキャリアといった組織の地図など、多種多様な地図を作ってきた。コツは定量化すること。主観的に布置すすることもできるが納得を得るのが難しい一方で定量的解析的に布置すると説明率という情報が得られる客観性がより高くなる。

より高くなる。AIの課題が、結論に至る、プロセスのブラックボックス化であることに比べると、マップは客観的な説明力に長けているという特徴がある。

以下chatGPTより。

地図(ちず、英: map)は、地理空間を視覚的に表現したもので、地球上の地形や位置、特定の地域の情報を示すために使用されるツールや図のことを指します。地図はさまざまな種類やスケールで作成され、様々な情報を提供することができます。以下は地図の主要な特徴と用途です。

1. 地理情報の表現: 地図は地球の地形、地勢、水域、都市、道路、国境などの地理情報を視覚的に表現します。これにより、人々は地球上の場所や相対的な位置を理解しやすくなります。


2. ナビゲーション: 地図は移動やナビゲーションのために使用されます。GPSデバイスやスマートフォンアプリと組み合わせて、道路地図やトポグラフィカルな地図は、目的地への経路を計画し、案内するのに役立ちます。


3. 地理情報システム(GIS): 地図はGISの一部として広く使用され、地理情報のデータベースと組み合わせて地理的な問題の解決に役立ちます。これにより、都市計画、環境モニタリング、リソース管理などの分野で情報を分析できます。


4. 地理的な研究と教育: 地図は地理学や環境科学の研究において重要な役割を果たし、学校や大学の教育でも使用されます。地図を通じて地理的な現象やプロセスを理解するのに役立ちます。


5. 旅行と観光: 旅行者や観光客は地図を使用して新しい場所を探索し、観光名所を見つけたり、道路を見つけたりします。


地図は異なる種類があり、地図の目的や使用状況に応じて異なるスタイルや情報が含まれています。一般的な地図の種類には、地形図、道路地図、トポグラフィカル地図、気象地図、政治地図、航空写真などがあります。



2023年10月27日金曜日

元気が一番モチベーションよりもコミットメントよりも、元気が一番なのだ。

 元気、とは創発の状態(心の)を指すのかもしれない、はっとひらめいたりすることを脳科学のフリーマン理論では、意識とは、脳内で発生する大域的アトラクターという気づきの明滅する状態と説明する、この辺縁系を中心とする大域的アトラクターこそが、スレービング原理で言うところの局所的なアトラクターというミクロの秩序のゆらぎが閾値を超えることで他のミクロの動きを次々と引き込みが出現する脳全体のマクロの秩序なのである、マクロの秩序が発生するとミクロの秩序はそれに隷従(スレーブ)するようになる。この時、脳は全体が活発に活動しているまさに脳内に電気が灯っているような状態ということである。それを私達は元気と呼ぶ。

元気の「気」とは心の動き・状態・働きを総合して捉えたもの。精神。

であって、元気とはそれら「気」の働きが充実している様なのだ、かつて、一斉を風靡した、「頭の体操」の著者、心理学の大御所多湖輝さんは、高度成長後の閉塞感漂う社会を、創造性を高めることや、奇術によって心がハッとすることで活力ある社会に変えようと考えたのだそうだ、

現在の認知科学や脳科学はその、心や頭の働きが創発という現象の結果であると考える、脳科学も認知科学も無かった時代に多湖輝さんの洞察力の高さには恐れ入るものである。

さて、閃いたり、ハッとしているときその人の心や頭の働きは充実しているつまり元気なのである。

組織運営では目的性が高いのでやれモチベーションだ、達成意欲だと言われるけれど、そもそも元気であることこそが肝要なのである、元気が一番




2023年10月26日木曜日

アートの力

アートに力があることは誰も疑わないだろう。これは誰もが印象を持つけれど正解が無いという力だ。禅宗では気づきは与える者でなく本人が気づくまで待つというが、アートはそんなこと言わなくても自然とそれを実践しているのだ、アートによっては経済的価値(値段)がつくものもあるが、基本は、お金とは違う、価値の交換機能は有していない。にもかかわらず、気づきという価値を持っている、正解という共通解が無いからその価値はひとそれぞれだ、しかし、そのことが、人類にとっては大きな価値なのである、一時環境保護団体が、自分たちの主張を通すためにアートに攻撃を加えたことがあるが、これは、自分たちの解を人に押し付ける極めて暴力的な環境ハラスメントだ。正解が無いという人類にとっての共通解が貴重だから、アートは大事にされているのにそんなことにも気づけない人たちの主張なんて誰も受け入れない、しかし、じつはこれ、環境保護テロに限った話じゃない、多くのハラスメントって結局自分の正解を他者に押し付ける行為だ。



 


2023年10月25日水曜日

タレントマーケットプレイスの肝は?


どうやら巷では人的資本経営に合わせてタレントマーケットプレイスという言葉が流行っているそうだが筆者は、2009年に、1万人規模の従業員と仕事のナレッジベースとマッチング及びその運用プランまで作ったことがある、今考えれば相当先進的だったというより、先取りしすぎていたようだ、(下図参照転載禁止)


実際、その事例を取組んだ企業の承諾を得て、多くの他社大手企業の人事を集めて事例発表会をやらせていただいが、参加企業ほぼすべての反応は、それは素晴らしいけれど、うちの会社では無理。というものだった。今だったらきっと少し異なる反応になるかもしれない。
運用プランは、仕事のDB(キャリアマップとスキルマップ)を整え、従業員の自己申告と、ポテンシャルと、事業戦略と人材育成の最適化から適材適所と従業員の成長をデザインするものだった、最適化は当時はまだAIは無かったが今日AIの機械学習でも用いられる統計手法でのデータサイエンスにより作成したアルゴリズムがベースとなっていた。
取り組みのきっかけは直感や肌感といった勘による異動、現場任せの育成ではなく根拠に基づいた異動、戦略的育成を行っていきたいという要望であった、この要望は恐らくどこの組織も今でも抱えているものだ。

ではなぜそれが延々と解決できないのか、その理由は単純明快、本気で解決する気が無いからだ。結局組織の課題は組織を構成するメンバー1人1人が自ら変わって解決するしか無い実はここにスレービング原理が働いて組織が変わるのだ。ミクロの秩序のゆらぎが他のミクロな動きを次々と引き込みマクロレベルの新たな秩序(契約解除・打ち切り)を出現させるこれはミクロがマクロな秩序にスレーブ(隷従)するという「スレービング原理(slaving principle;と呼ばれる自己組織化のメカニズムの様相しかし構成員一人一人ミクロの秩序が抵抗勢力になって自らが変わることに腹を括らないから組織全体マクロの秩序も変わらない、だから課題は延々とキャリーオーバーされていくのである

すると、言葉遊びが始まる。

タレントマネジメント、人材育成、人材開発、人的人的資本にタレントマーケットプレイスだ、それぞれに時代時代の新語がラベリングされ。流行りものがスパイスとしてトッピングされる、IT、企業の情報開示、AIなどなどだ、でもその実態は単なる言い換えでしかない。

筆者が2009年にこの課題解決のために取り組んだフレームは、そのまま、タレントマーケットプレイスだと言ってもきっと通用するだろう。

さてこの仕組みが運用定着で抱えていた課題は組織の本気度だ。結局、事例発表会での報告同様、あれば良いとおもうけど、困難を乗り越えて本気で課題を解決しようと言う意気込みは組織に無いのだ。要は課題解決のために自分自身が変わらねばと言うところまで行きつかない。「変える」ということは──既得権益を侵されるおそれがあるのはもちろんだが──それ以上に自分自身を否定されることを意味する。平尾誠二著「理不尽に勝つ」より。困難を乗り越えるには自己肯定感、社会性、ソーシャルサポートが必要と言われるけれど自己肯定感が自分が変わることを妨げてしまうのだ。

それは、忙しくて手が回らないという逃げ口上もあれば、自分の仕事にしたくないという無関心他人事化もある、一方で先述の平尾誠二さんはこう続けている。でも、現実の生活のなかでは、人間という生き物はものすごく小さなこと、些細なことを気にしながら生きているものだ。大局観を持ちたいと願いつつも、つい目の前の損得を優先させるのがふつうなのだ。頭では「こうしたほうがいい」と思っても、現実には違う選択をしてしまうことがある……。それが人間だ。だから組織はどのような仕組みを導入しても思ったように変わることは無いのかもしれない。

結果、課題の看板だけが掛け変わって数年ごとに巡ってくるオリンピックみたいなイベントになってしまい。組織構成員もどうせまた・・・と見透かしてしまう。

こういった無力感の学習はほぼ全ての組織に定着している。どうせ無駄というこの負の空気を払拭するのは、大変残念だけれども経営危機と言った生存不安しかないようだ、朝鮮戦争を通じてEシャインが発見したのは学習が始まるのは生存不安が学習不安を上回った時であるという考察は実に正しいのだ。Edogar H. Schein「学習の心理学:不安感が学ぶ意欲を駆り立てる」Diamond Harvard Business Review, March 2003, 48-59.




2023年10月24日火曜日

仕事の正体

 仕事とは、協働によって問題や課題を解決する行為であるが、協働と言う建設的な相互作用によって知識を生成することで、生産性という果実を組織にもたらす。その生成した知識が身体化されたものがスキルである、スキルの記述が、困難なのは知識の生成に欠かすことが出来ない文脈依存性がスキルに包含されるからである。文脈には当然 5W1Hがある、それらが1つでも変わってしまえば文脈も変わってしまう、その多様性を全て記述することは出来ない、だから結論的に言えば、スキルは記述できないのだ、さて身体化された知識がスキルであれば、そのスキルの蓄積こそがキャリアである。帰属する組織は、その発揮された生産性を報酬と言う形で還元するから、組織の立場から観ればキャリアとは、協働における役割と報酬で表現されることになる。しかし、その実態は、身体化された知識の蓄積による生産性の履歴だからやはり、文脈依存性が高い。こうして仕事は、スキルとキャリアに彩られることになるのだがその正体は、協働と言う相互作用によって生産される知識そのものなのである。組織の生産性に寄与する知識を生産することで、価値を持ち対価が生じるし知識を生産できなければクビになるのだ。


2023年10月23日月曜日

混沌を生め、知識生成、イノベーション創生のファーストステップ。

 さて、知識創造の鍵である創発という意図不在還元不能な現象を考えるうえで大切なのはスレービング原理と包摂アーキテクチャであることを明らかにしたが、多様性と複雑さという混沌がそれらの前提(必要条件)となる、個人の中で多様性と複雑さによる混沌を担保するのが経験と模倣による学習による多層性である。学習が優位なのは知識の転移ではなく、知識の創発が優位なのである。

中国の神話に登場する四凶の一つでカオスを司る神、渾沌(混沌・帝江)のイラストです

2023年10月22日日曜日

大谷翔平選手行動リソースの増やし方、パラダイムを変える創発を生む包摂アーキテクチャ。

 有名なコピーライター糸井重里さんの日替わりエッセイ今日のダーリンというのがあって、21日の書き出しは以下のようなものだった。(過去のものは消えてしまい読み返せない仕様なので一部を転載しておく)

本気で考えるというのは、ほんとうにすごいものだ。大谷翔平選手は高校生のころに、メジャーリーグで活躍することを、本気で考えていた。それを実現するには、どういうことをすればいいか、本気で考えてチャートにして、それを実行に移していた。9項目書かれたブロックが、9つ集まっている曼荼羅図だ。だから大谷翔平になった、という単純なことでもないが、この81もの項目を考えるというだけでも、かなり本気でないとできなかっただろうと思う。

人には、本気のときと、本気じゃないときがある。本気のように見せかけたり思いこんだりしてても、本気じゃないことというのが、たくさんある。だいたい現実味がないことには本気になれないし、本気になった経験がないと本気にはなりにくい。

このチャートは曼荼羅チャートと呼ばれるものだが、大谷選手によって一躍有名になった。花巻東高校で具体的な目標を一枚の用紙に書き込む、『目標設定シート』とも呼ばれるそれは、選手たちが入学後すぐに書くものだ。
 それは実際に一般企業が取り入れている人材育成のシステムやビジネス書を参考に佐々木監督が作り出したものだ 佐々木 亨. 道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1387-1388). Kindle 版.
大谷翔平選手の高校入学後(卒業後)の活躍をみればこの目標設定シートが目標達成に有効に働いたことは 明らかであろう、色々と勘違いされているが、このシートは目標達成のため必要なリソースをフレームに沿ってチャンクダウンしたものであるようだ。
このチャンクダウンの具体化に大谷選手の非凡な思考の深さがあったと佐々木監督は回顧(同書籍)している。糸井さんが感心しているのはそこだね。
目標(為すべきことを)定め実行する機能を「意志」というが曼荼羅チャートはこの実行する機能を詳細化したものであると言えるだろう、言い換えれば目標達成のための機能リソースの可視化意志の具現である、リソースはそれぞれ独立しているがコレクションとして集合化することで、競合し合う行動のコレクションとなって、より高度な機能を発揮するようになり、MLBで二刀流といったような不可能と思われるような目標ですらも達成可能にするのだ。
ちょうど、認知リソースが時に競合し時に協調しあうことで認知的変化(知識)が生成創発され世の中のパラダイムを変えるのと一緒だ。
リソース(層)が増えることで創発は全体的には複雑で高度な振る舞いを見せるようになる。
これは包摂アーキテクチャと呼ばれる機構(ブルックス1991)である。
大谷選手の凄さは包摂アーキテクチャにあるのだ。



2023年10月21日土曜日

進化と持続可能性の(創造性と継続性)のデザインについて

人においても組織においても創発は進化の鍵である。さて、人においても組織においても、進化と同様に大切なのが持続可能性である。その持続可能性においても、創発による知識の生成が鍵である。それらの関係を整理した図を以下に掲載した。

進化と持続可能性の(創造性と継続性)のデザインについて




2023年10月20日金曜日

新規事業が立ち上がる組織の鍵は自腹。

 立ち上げから上場、エクジットまで複数の新規事業開発に成功した新規事業のプロの話を聞いたことがあるのだけれど、事業アイデアに関しては社会の中の非効率を探すと言っていた。

あとそれ以外に本当に必要だと思いやってみたいことがあるなら自腹でやれるはずだ、ともね。

会社の、命令(役割)と会社のお金で新規事業を成功させるには場合は事業アイデアよりも、周囲を巻き込む政治力の方が重要だという研究結果もある。

さてそもそも、事業会社にとっての新規事業とは、既存事業の文脈と異なる文脈を創ることだから、それまでの文脈で最適化する知識を創発してきた既存の組織構成員にとって見れば大変難易度が高いことである。

とある、オフィス関連のメーカーでは、新入社員に既存社員との接触を一切禁じて新規事業開発を担わせていた、仕事の仕方という文脈を纏ってしまうと新しいものは生み出せなくなるとわかっているからである。

創造的な人材をお金をかけて超積極採用したもの、数年後には全員辞めていたなんていう事例もある。

原因は、現場のマネジャーは創造的な人材を受容出来なかったからなのであるが、最適化に勤しむマネジャーにとってみれば文脈を重んじない創造性豊かな人材などは恐怖以外の何者でもないのだ。

それでも、新規事業に期待を寄せる経営者は多く、それらの経営者は新規事業がうまく立ち上がらない理由に人材不足を挙げている。

こうなるともう落語の小咄みたいだけど、新規事業が立ち上がらないと嘆く経営者の本質的問題はその経営者自身にあることになる。

経営者に必要なのは新規事業開発の後押し(稟議承認)ではなく、やり抜く覚悟なのである。その覚悟を冒頭のプロは自腹と表現したわけだ、社会人の学びにおいても自腹の重要性が言われる。そう、新規事業においても学びにおいても鍵は自腹である果実を得るために負担を厭わない覚悟が出来るかどうかであって、社会課題を解決するという安易な事業アイデアが決して上手く行かないのもそこに自腹の覚悟が無いからである。自腹を切れる人材は組織に縛られないそれ故オープンイノベーションとかに期待が集まるし、最近ではそれ(新規事業立ち上げ環境提供サービス)を売りにしたような支援サービス(ソニーとか)も少なくないがそれは他腹である。、認知変化という知識生成と、組織における、創発や最適化のメカニズムと実際を知り経営者自らスレービングを起こすことこそが自腹なのである。さもなくば自組織内に新規事業が立ち上がる組織を創ることは出来ない。

自分の壁は自腹で破る。

2023年10月19日木曜日

勝利の美酒に駆り立てられないように。

 スポーツの秋、ラグビーにサッカーにバスケットボールバレーボールと日本代表の快進撃が続いた一方で、ハマスとイスラエルの軍事衝突に中国とロシアの急接近など、国際紛争がどんどんきな臭くなっている、なぜこのような敵対行為が止まないのかと言えば、そこには達成感と言う勝利のカタルシス、達成感という内発的動機への自己報酬、勝利の美酒への陶酔感カタルシスが横たわっているからなのかもしれない。本能的に備わっている敵に勝つという遂行機能と勝利の喜び(快楽)による学習がセットになって次なる闘いに私たちを駆り立てているのだ。生き物は目的を達成する遂行機能を保有し達成にポジティブフィードバックがおきて定着する学習が生まれるようになっている。それは目的を自ら定めて遂行達成するという自立のための多いに役立つのだ。



2023年10月18日水曜日

ビッグデータから知識の分け前争奪戦へ

 今でもそうなのかよくしらないけれど、かつてビッグデータがもてはやされた頃グーグルはあらゆるものをデータ化すると言っていた。

その後時代はAI(学習)競争になり、Big Data競争は一旦落ち着いたように見える。むしろ生成系AIでは、学習データを勝手に集めることの方が問題になっている。

しかし今後のAIの進化を考えると、マルチモーダルデータを集めるためにより個人に紐付けられる形で情報の収集が行われるものと考えられる。

生成系のAIは誰よりも、その人のことを知る存在になるのかもしれない。

さて世の中ではAIに学習されないようデータの利用を制限する動きが見られる。

有料で情報を提供している事業者にとっては無料で学習に使われるのは死活問題だと言う論はわからないでも無い。

しかしbig dataとは質の異なる情報の収集に思わぬ障害が出てきたことは注目に値すると言えるだろう、bigdataはその多くが位置情報や閲覧履歴など行為行動の履歴情報であったのに対して生成系AIの学習に使われるのは認知的変化により生成された知識データである

生成系AIが創発するのではなく創発された知識を引用して、あたかもAIが知識を生成したかのように感じさせる。

確かに他者の知識を無断で流用することには倫理的問題がある。

でもそもそも我々の知識はそれまでに築かれた知識の上に成り立っているわけで生成系AIの学習がずるいとも言えない。

私たちの認知的変化では様々な他者の知識も認知リソースとして利用しているでもそれらをフリーライドとは言わない。

私たちは全ての知識を自前でゼロから生成しているわけでは無い。

だから、事業者が生成系AIの学習おいてデータの利用を禁止するのは、知識の覇権争いというよりは対価を求める経済的主張(分け前闘争)の局面と考えるとわかりやすいのではないだろうか。




2023年10月17日火曜日

創発(イノベーション)の開発が出来ないわけ。

人材開発に組織開発、能力開発に都市開発、神宮の森の再開発など、開発という言葉が色々な文脈で使われている

ではそもそも、開発って何というと、

① 森林や荒れ地などを切り開いて田畑にすること。かいほつ。〔運歩色葉(1548)〕

② 開き始まること。また、開き始めること。かいほつ。

※楽屋図会拾遺(1802)上「人形道具等に美をつくしければ繁昌なる事日々にさかんなり。是筑後の芝居の開発(カイハツ)なり」

③ 知識などを開き導くこと。かいほつ。

であった

またさらにネット検索すると

人材開発は、社員に新しい技術・知識を習得してもらうことを指します。③に該当

組織開発は、会社全体のパフォーマンスを高めるために実施する施策です。

となっている。極めて目的性の高い意図的な行為なのである。

きっと、人材開発、組織開発の大御所立教大学の中原淳教授はもっとシャープな定義をされているに違いない。

一方で都市開発とか再開発は新しい魅力(価値)を付加するといった意味合いではないだろうか。でも、神宮の森の再開発などは、今ある自然という価値を大きく破壊し毀損するものだから、魅力が増すのかは疑わしい。①に該当

いずれにしても、世の中開発流行りなのである、その目的は経済の観点からの言い換えれば付加価値競争ということだよね。

付加価値は利益に直結するものだから、開発とは儲けをより多く出す目的ために行う諸活動と言い換えるとその本質が見えるのかもしれない。

企業間競争の優位性は、差別性と、効率性によって齎されるものであって創造性と最適化という2つの異なるベクトルを持っている。

自然界では、突然変異説と、適者生存のダーウィニズムの対立みたいなものだね、でもこの2つの立場は進化の総合学説に統合されるのだけど、それは結果論からみた場合であって事前に創発をデザインすることは出来ない(創発とは自己組織化する意図の不在還元不能な現象と定義されている)、最適化のデザインは可能だけれども、創発の可能性を高められるのは何回か書いているけれどスレービング原理のみだ、創発を引き起こす環境を整えるくらいしかできないのだけれども、創発は意図不在だから、いつ、どのような形で起きるかわからない。

混沌の中から生まれるものだから、秩序が失われている混沌とした状況の中には大きな期待が持てる。

丁度ビックバン後の宇宙空間のようなものだ。だから、開発と言ったような目的性の高い意図的行為や意識から創発は生じないのである。

AIに心を持たせるようなものである。

ちなみにchatgPTにあなたに心はありますか?と聞いたらこう応えた。
こんにちは、Bingです。私は人工知能であり、感情を持っていません。私はあなたの言語で自由にコミュニケーションすることができます。何かお手伝いできることがあれば、お知らせください。AIに創発的付加価値を期待することは現状では出来ないようだ。



2023年10月16日月曜日

対話無き世界の行く末を危惧する、

 ウクライナとロシアの戦争に加えて、パレスチナとイスラエルの戦争まで始まった。局地的に思える戦争も、その背景に含まれる文脈を考えるともう、第3次世界大戦の幕開けと言っても過言では無いように思える、過去の経緯を歴史と言えば、着せない事実の積み重ねのように思えるけれど、そこに渦巻く人々の真実truthで考えればもはやなぜこうなったのか、そしてこれからどうなるのかを知ることは出来ないだろう。戦闘とは相手の尊厳を極限まで否定する行為だから戦闘が続く限りわかりあうなんて言うことは出来ない。当事者間の対話がどこかで行われていることを期待するしか無い世界なのである、



2023年10月15日日曜日

認知リソースに失敗の文字はない。その次が大事。

 ジャズトランペットの巨匠マイルス・デイビスは間違った音を出しても、その音は次の音によって素晴らしい音になると語ったと言われる。色々な謂れがあるようだが、これは私達の認知の機能にとってとても重要な考え方である。というのも私達はマルチモーダルに環境が提供する情報を知覚すると、知識を生成してしまう。知識生成の際に用いられる認知リソースは過去の経験によって蓄積されたものであり、認知的変化の生成においては、無意識に自動化されている価値観や信念が少なからず影響を与えている、それは確証バイアスと呼ばれる偏見なのだが、要するに私達は世界を見たいように見て、心地良い世界を構築しているのだ、それゆえ、心地よくない情報に接するとそれは間違っていると考えがちだ。しかしマイルス・デイビスは、間違っている音という考え自体が間違っていると示唆する、間違いではなく新たな可能性とせよということだ、認知的変化で言えば、新たな認知リソースである、ということである、創造性には①アイデア創成が好き②アイデアを早い段階で批評的に評価しない③新しいアイデアを大切にする④創造的思考は、一風変わっていると信じているといった態度が大事であることが知られている、②が重要なのだよね、あ、間違った、しまった、としないでそれを活かす次を生み出すべきなのだ。

創造するためには新たな可能性を間違いという言葉で潰してはならないのだ。認知リソースには正しいも誤りもない、近接項(兆し・兆候)からこうあるべきという確証に則って都合の良い内部モデル(世界)を創り上げてしまわぬよう、遠隔項(真の原因系)もリソース化する必要があるのだ。そして遠隔項が見えている人にとっては間違いという失敗は無いのだ、だから間違えてもどんどん挑むべきなのである。






2023年10月14日土曜日

ミドルのセカンドキャリアが困難で人材がぶら下がる理由

 多くの企業で、滞留したミドルのキャリアが問題になっている。

激変する経営環境の中で社内でのポストも期待も無くキャリアアップのビジョンもモチベーションも無いまま7割位の労力で仕事を回していき、それを見る若手の意欲を削ぎ不公平感を生み出す、つまり組織にとっては害を成す存在だからだ、

組織運営上の滞留の構造的問題と状況を打開する態度の不足という複合的な要因がその主たる事由と考えられるが、認知科学的な観点から言えば、文脈の分断による創発(認知的変化)の不全による、新たな環境への不適応という問題を、組織も当人もメタ認知していることに原因がありそうだ、

仕事における行為行動は文脈に依存している。

故に長年組織で文脈に熟達し、自動化平行化を習得してきたミドルにとって、もう一度0からやり直すことがどれだけ大変で時間がかかることか、困難なことかは身に沁みている、だから、損得を計算して、キャリアをデザインするよりも組織にぶら下がる選択をするわけだ。

ぶら下がるという知識生成よりも、より賢いと思える選択肢が出現しない限り、ぶら下がりは選択肢のトップに居座ることになるから、セカンドキャリア研修は不発に終わるのだ。

パフォーマンスは文脈から切り離せないという事実を踏まえた時、組織に出来るミドルのセカンドキャリア研修は、ぶら下がる前に行わなければならないものだろう。

新しい環境でも創発出来るという自己認知が重要だ。

でもそれは、現場を支える中堅社員の離職というリスクも抱えることにはなるのであるが都合が悪くなったらお払い箱というやり方が上手くいくはずがない。では、若手のうちから転勤や出向経験を積ませる企業がうまくいっているかというと実はそうともいえなさそうだ、それは何故なのか、仕事の文脈問題からまた別途考察してみたいと思う、

ぶら下がり


2023年10月13日金曜日

FactでなくTruthで戦う藤井8冠。

藤井聡太棋士がついに八冠を達成した。藤井八冠はAIよりも強いのだとしたら、藤井八冠の強さの秘密を解き明かすことには非常に大きな意義があり意味があることになるだろう。

将棋AI「水匠」の開発者が語る 藤井聡太八冠が「AI超え」をする理由

「相手を間違えさせる手を選ぶのはAIにはない感覚。人間に勝つという意味ではAIを超えているかもしれません」と、藤井のすごさを語った。と記事にある、1秒間に1億手の中から最適解を見つけ出さるのAIに無いのは「相手を惑わせるという選択なのだそうだ、これが正解であると応えを出すのがAIだとすると藤井8冠は正解かもしれないけれど、対局において有利に立てそうな一手を創発したわけだ、対局という観点から見れば、駆け引きは勝負の重要な要素であり、藤井8冠が常に、自分の立場だけでなく対局相手の立場からも局面を観ていることがわかる、これってすごいことである、藤井8冠は自分の指し手だけでなく対局相手の指し手も指しているのかもしれない。相手の立場から見れば一見最適解でないものが実は最適解だったということだろう、正解を連続すれば、最終目的に到達するということではなく、見方を変えて最適解を創発するというアプローチは人間がAIに勝てる道を指し示しているのかもしれない、そしてその核心にあるのがFactとTruthの違いである。これはART 鑑賞のガイダンスなのだが



Factは1つ、Truthは人によって異なる

「上を見ている」「鼻が欠けている」=Fact

敵愾心、驚き、思案・・・etc =Truth

AIは膨大なデータの中からFACTを見つけ出すが、藤井8冠はTRUTHでAIを超え勝負に勝ったたということなのである。





2023年10月12日木曜日

心理的安全性では困難な局面を打開できない

 グーグルが言い出してから心理的安全性と言うのは組織運営のチームワークにおけるキーワードになってしまった。心理的安全性とは、1999年にアメリカのハーバード大学教授であるエドモンドソンが提唱した心理学用語の一種です。エドモンドソンは、心理的安全性を「チームにおいて対人関係のリスクをとっても問題がないとメンバー全員が確信している状態」だと定義しています。しかし多くの注目を集めるのは、安全という言葉が、否定しがたい究極善のマジックワードであることにも起因していると思われる、しかし、そもそも、他者と協働するという事は、認知リソース的には、葛藤、競合をかなり高い確率で生じる行為なのである。理由は単純で、認知リソースの背景に潜む文脈は必ず違うので、そもそも他人とわかり合うことなど出来ないのだ。その端的な論拠はコミュニケーション能力と言う二重の虚構だ。これまでも、何度か引用している鈴木宏昭先生の論は以下のようなものである能力 という のは アブダクション から 生まれ た 仮説 で ある。 そこ に 不適切 な メタ ファー が 加わる こと で、 誤っ た 能力 観 が 広まっ て いる。 それ は 能力 の 安定 性、 内在 性 という 見方 で ある。なぜ これらが 誤っ て いる かと 言え ば、 人 の 認知 に ほぼ 普遍的 に 見 られる 文脈 依存 性 を 説明 でき ない からで ある。 よって 認知 的 変化 を 考える とき に、 能力 という 仮説 は 不要 で ある。

鈴木宏昭. 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化 (ちくまプリマー新書) (p.12). 筑摩書房. Kindle 版. を引用しているが。コミュニケーションに関してはダブルバインド含め多くのコミュニケーションにまつわる認識の齟齬があることを劇作家平田オリザ氏は指摘する。わかり あえ ない こと から ─ ─ コミュニケーション 能力 とは 何 かがとても良い気づきを与えてくれるだろう。 2012 年 12 月1 日 発行 平田 オリザ © Oriza Hirata 2012 発行者   鈴木   哲 発行 所   株式会社 講談 社

さて、他人と分かり合うためにはコミュニケーション能力が必要だとしてその、コミュニケーションも能力も虚構だとすれば、他人と分かり合うことは出来ないということになる。

協働の核心にある、相互作用とは、このわかりあえないという葛藤を乗り越え自分を刷新していくプロセスなのである。自分を刷新するということは、未知の自分に出会うことであり、心理的には実に危険で不安なことだからである。必要なのはリスクをとっても問題ないという確信ではなく、リスクに挑んで自分を刷新するのだという覚悟なのある。サッカーが好きな人なら、安全第一でバックパスばかりしているチームが決して勝てないことを知っているし、野球だって、ラグビー(リスクを冒して前にボールを運ばなければとライは無い)だってバスケだって同様だ、勝負の局面で、相手に打ち勝つためにはリスクをとらなければならない。

リスクに挑むからこそ局面を打開しそれによって自分を刷新、成長させることができるのだ。ゆえに、安心してリスクに挑める環境よりも、困難な局面と言うリスクに挑戦する勇気を持つ方が大切なのだ。


マジックワード


2023年10月11日水曜日

野菜不足ではなく遊び不足な社会、皆遊びを求めている。

 最近YouTubeで最近人気があるのは新しい学校のリーダーズの大人ブルー、YOASOBIのアイドル、babymetal のかくれんぼなど、だけど、いずれもノリが良くて歌詞も面白い。そして何よりもこれらのグループの歌に共通しているの、は遊び心が満載なのである。大人ブルーは大人ぶると言う言葉をかけた言葉遊びだし、YOASOBI はグループ名がそもそも、遊びだ、。そして、かくれんぼはトラディショナルな子供の遊びである。なんだかうす暗い世相の中でキラキラした遊び心が輝いているそんな感じなのかもしれない。遊び心ある若者を見ていると救われるような気がする。遊び心は認知科学的には認知リソースの冗長性と言うことになる一方で時代的にはタイパ主義で冗長性を敵視する傾向がある時間効率を高めるうえで冗長性は阻害要因である。ITサービス多くが利用者の依存性を高めるために隙間時間を奪ってきた結果ITサービスを多く利用する世代を中心に時間不足に陥っているのだ。そして隙間時間不足による遊びの欠乏を補うかのようにコンテンツの中に遊び要素が増えているのかもしれない。生産性、効率主義に陥るとなんだかわからないものを試してみると言う余裕が失われる。まあどんな現場においても、タスクは増えるが労働時間は減らせと言う圧力がかかっているから致し方ないのであるが人は創発のために試行を必要としている試行が減れば人は知識を生成できなくなる、上達も工夫も無い世界その行き着くところは環境変化への不適応なのである。著しい環境変化に晒される中で僕たちは自然と本能的に遊びを求めているのかもしれない。



2023年10月10日火曜日

賢さって何だ?お金では買えない賢さ、偏差値では身につかない社会の本質。

 アリストテレスは賢慮という徳を人生を幸福にするうえで重要視した、一方で社会性という観点では我慢をして、ここぞというタイミングで我慢を辞めてチャンスをものにするのが真の賢さであるという研究者もいる、我慢に関しては心理学のマシュマロ・テストが有名だ。現在では、我慢出来る非認知能力よりも、子どもの将来に大きな影響を与えるのは「親の収入」とされています。つまり賢さはお金で買うものという世知辛さなのである、アリストテレスの言う賢慮とはシンプルに言えば善悪の判断だ。最近そのことを象徴するような出来事があった。ジャニーズ事務所の会見を仕切って指名NGリストで大炎上をやらかした外資系コンサル会社の責任者はかつて日本の官僚で将来を期待されていた高学歴な人材だったそうだ、高偏差値であっても、事の善悪を判断できなかったわけだ。ビッグモーターの副社長であった社長の子息も同様かもしれない、親の収入で学歴などは買えたけれども、社会的善悪を見極める賢慮はという徳は身につけることが出来なかった欲望の資本主義の限界がまさに見えたと言えるだろうドイツの気鋭の哲学者マルクス・ガブリエルは倫理資本主義の必要性を述べていますが社会の本質は倫理に宿っている最近それを実証する出来事が頻発しています。




2023年10月9日月曜日

孤立が招く高齢化社会の一層の深刻化

 高齢者の様子を観察していると状況や文脈に沿った行動が困難な様子が見受けられる。どう行動すれば良いのかがわからずにまごつくシーンはかなり頻繁に発生する自分の置かれた環境の認知が上手く出来ないのだ。以前にも取り上げているがMIT研究員のデブロイが赤ちゃんがどうやって言葉を学ぶのか研究(TEDで報告されています)して言語は概念理解によって学ぶのではなく言語環境から学ぶのだと結論つけました。言語に関わる行動とフィードバックを通じて多感覚な認知リソースを統合して概念を 知識化するのです。

身体知と周囲の人との相互作用によりマルチモーダルにリッチな知識が生成されていくわけですが身体知におおいに影響を与えるのが環境のリソースであると言うことになる。高齢者に話を戻すと模倣(他の人の真似)は問題なく出来るようだが文脈を理解して最適な行動を選択するのはあまり得意では無いようだ要するにどうすれば良いかを自ら考える(答えを出す)のが苦手で時に良し悪しがわからず、自分本位な行動をとる。そのような時は周囲の人が良し悪しを判断して当人にフィードバックする必要がある、老化によって好奇心が減り身体知も失う高齢者にとっては相互作用が知識生成の唯一の手助けなのである。だから孤立は深刻な問題だ、しかし、ケアは負担だと考える社会にとって、孤立を防ぐという事は誰かの負担を増やすという事になってしまう。身体知は仕方ないとして、好奇心をいかに失わない社会を作れるかが高齢化社会の大きな課題であるのかもしれない



2023年10月8日日曜日

創造性は科学に勝る、藤井聡太棋士神の一手はどうやって生み出されるのか

 データから知識を発見するプロセスと私たちが知識を生成するプロセスは若干違っている情報学的にはデータから知識を発見するプロセスは集めて整えて気づくと言う段階を経るのに対して私たちの知識生成は蓄積された混沌の中から心の働きが秩序を生み出すまさにひらめくのだ。

情報学的知識発見プロセス 岩波講座 マルチメディア情報学 8「情報の構造化と検索」P230~231

  ①知識発見の対象となる領域特有の性質を理解し、よく知られた特性に注意しながらデータ収集を行い、データベース(もしくはデータウエアハウス)を構築する。
②蓄積されたデータに対して、選択、射影操作などにより不要な属性や属性値を取り除くデータクリーニング(data cleaning)を施す。
③サンプリング処理などの前処理や、一般化などによるデータの変形操作を行うことによって、知識発見アルゴリズムを効率よく実行できるサイズのデータへと加工する。
④知識発見アルゴリズムによるデータマイニング(data mining)を行い、ルールやパターンを求める。
⑤求められた数多くのルールやパターンに対して解釈や評価を行い、データベースに蓄積されたデータとの検証(verification)も行う。
⑥情報の視覚化技術なども用いながら、ルールやパターンの評価を行い、最終的な知識表現を求める。


認知科学的知識発見 鈴木宏昭. 私たちはどう学んでいるのか 創発から見る認知の変化 (Japanese Edition) (p.111). Kindle 版.

ひらめきは突然訪れるかのように語られることが多い。しかしひらめきは練習による変化、発達による変化と同じ、①つまり多様で冗長な認知リソースとその間の競合による②揺らぎが、それが③実行される環境と一体となり④創発される。そしてその過程の大半は無意識的に進む。だから、ひらめいた時の驚きは、実は自分の無意識的な心の働きに対してのものなのだ。

情報学的には知識は整理した中に息づいているもので、言い換えれば砂金取りみたいなものだからこそマイニングなのであるいっぽう、認知科学的にみた知識は、個人の中に蓄積された混沌の葛藤から新たな秩序が出現する、煮込み料理みたいなものなのだ、すでにあるものと意図せず出現するものという知識の捉え方が全く違うのが面白い。

さて知識発見と言えば、藤井聡太棋士の強さは誰もが認めるところだろう、将棋に言い換えれば情報整理の中から見つかる知識とはこれまでの棋譜を全て読み込んで、最適な一手を見つけるAIに似ている、一方認知科学的知識とは、対局の中で、まだ存在していない局面を頭の中で描きそういった試行を認知リソースに加えながら生成するまさに創造的な一手である。もちろんそういった創造的な神の一手もやがてAIに学習されるので、AIによる知識発見はどんどん強化されていく、しかし、情報は有限であるのに対して、新たに生み出される知識は無限である。無限の可能性は、心に宿っているのだ、藤井聡太棋士の強さはまさに人間の心の無限の可能性を示していると言えるのだ。
有限対無限の闘い。心を育てた方の勝ち。




2023年10月7日土曜日

会社消滅、ジャニーズ事務所の悲劇、賢慮を発揮する創発的リーダーが居ない諸行無常組織の末路

 ジャニーズが会見を行う度に日本国中ニュースが会見一色になってしまう。その様子を見て私は児童の性加害事件、人権侵害と言う問題の本質よりは隆盛を誇った勝ち組企業の今後の行末に対する野次馬的火事場見物意識の方が強いように違和感を感じてしまう。

人権侵害児童虐待と言う経営者の犯罪を、矮小化して事態を乗り切ろうととした会社に対する社会的制裁という、様相を見せているが、同じく昨日報道された大手学習塾四谷大塚の講師による盗撮や個人情報の漏洩と言った事件の報道に比べれば犯罪行為に対する司法並びにメディアの対応は生ぬるいと言わざるを得ないだろう、これだけ被害者も多いのになぜ事務所経営陣は逮捕されないのだろうか。その生ぬるさが事務所側が事態を甘く見る態度を招いているとも言えるのでは無いか。

事務所側は明らかにこれまで看過されてきた事実を盾にとって軽い対応をみせている。社名を変えて被害者に補償すればいいでしょうでは組織犯罪に対する責任は問われないことになってしまう、それでいいのだろうか。良いわけが無い、今後同様の犯罪を予防するためにも直接の関与者は当然ながら経営者も逮捕されて然るべきだと思うのだが如何であろうか。バスが事故を起こして被害者が出た時は運転手のみならず経営者も逮捕されるのになぜ?今回は加害と被害が明快なのに経営責任に刑事罰が及ばないのだろうと思う社会的な善悪の線引が曖昧なのだ

本来であればこの社会的善悪を見極める責任は会社側にある。今回の一連の出来事、経営トップ自身による性加害という人権侵害にはじまり、会見における質問NGリストの存在まで一貫しているのはまさにこの善と悪の見極めという賢慮の欠如であって、さらに、世界的な児童の人権擁護の流れという複雑な環境変化の中で賢慮を発揮する創発的リーダーが居ないことなのである。事務所が行っているのは男子児童の人権侵害に寛容なこれまでの追い風に甘んじて、好感度のタレントを矢面に押し立て(これ自体も人権侵害である)て追い風を受け続けようとする賢慮に目を瞑って極めて都合の良い景色だけを観てきた祇園精舎の鐘の声の虚構のリーダーによって事務所は諸行無常の組織になったのである。




2023年10月6日金曜日

性格をアップデートして運命に出会おう、

 性格というのは自動化された適応行動であり、自然と身につけてしまっていることが多いけれど、新たな行動習慣を身につけることで培う(新たに身につける)ことができるものだ。適応行動だから環境を変えることは自分の性格を更新する有効な手段である、または、適応の仕方の自己認知を通じて適応の仕方を意図的に変えるということも可能である、その際に必要なのは自己認知と我慢である、己を知り、なすがままにまかせず、あるべき、もしくはありたい自分に沿って行動を修正するのである、性格をアップデートするということは、いまの自分に向き合って未来の選択肢を広げることであり、運命を自ら引き寄せる生き方と同義なのである。



最後にマザーテレサはこう言っています。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。 
思考と言葉・行動はメタ認知しなければ気をつけられない、
行動と習慣は性格を培う手段である
故にメタ認知→性格のアップデート→運命となりのである。


2023年10月5日木曜日

どこの会社にもある転職あるある話。転職が不利に働く理由。ポータブルスキルという虚構。

人生はマルチステージ。転職は当たり前のご時世だが。他社のトプセールスが、1つも受注出来ないとか期待のハイクラス人材がが3日で辞めてしまったミスマッチとか、どこの会社でも、転職にまつわる失敗話を持っている、これらは、求職者、求人者ともに転職が不利に働いた現象である。ではなぜそのような現象が起きるのであろうか。理由は単純明快で仕事とは、目的を達成するための協働行為であり、そこには数多くの文脈が流れているからである。つまり、無数の文脈に依存した協働行為が仕事の実態で、専門知識や、俗にポータブルスキルと呼ばれるような持ち運び移植可能な行為行動が仕事では無いからだ。それは人が認知的変化(知識を生成してを持って目的を達成するためには文脈が極めて重要であることと密接に関わっている、だから、転職支援を行うサービスや、コンサルタントは、オンボーディング(受け入れ訓練)が必要だと受け入れ側(求人者)にミスマッチの責任を転嫁するのだ、転職者の言い訳としては引継ぎが不十分だという事になるし、価値観が合わないと言い出すわけだ、引継ぎで足りないのは文脈だし、価値観とは文脈と共に形成され認知リソースとなる知識に他ならない。転職が不利に働くのは携帯電話のキャリア変更と事情は全く一緒なのだ、電話番号やメールアドレスが変わってしまうとそれまでの、人間関係やサービス利用の基盤を失ってしまうことになるつまり文脈を喪失するのだ、転職も基盤の代替不能性による文脈の喪失、(不足)から、以前の職場のようなパフォーマンスが発揮出来ず、(むしろ以前の文脈をベースとした価値観が邪魔になるケースが出てくる)から、下手な経験者よりも未経験の新卒の方が良いとなってしまうのだ。結局、ポータブルスキルは、社会人としてのマナーやコンプライアンスといった一般常識(社会的文脈)をベースとした態度なのである。そして良い転職者とは、素早く文脈を見つけ理解して環境に適応できる勘の良い(賢い)人材のことであって、テレビCMのような、(すごいキャリアじゃないかと上司が驚嘆するような)他社で営業表彰を受けた人材では無いのである。





2023年10月4日水曜日

活躍し続ける人が長けている14の強み。

 活躍し続ける人ってどんなことに長けているのか書籍やテレビ番組などを通して多くの活躍し続ける人を観察分析してみた一人称研究という個人に着目する定性分析の手法である、強みを取り出すのはMーGTAという手法である文章やなどの情報から分析が行えるのが特徴で。その結果活躍する人達に共通する14の強みが浮かび上がってきた。下記参照。これらの強みを複数持っている人の活躍は凄い、パッと判定しただけでも大谷翔平選手は1、2、7、11、13、14もしくはその他も持ち合わせているし、ノーベル賞受賞のips細胞山中伸弥教授は1、3、3、4、5、6、8、9、12、14もしくはその他も持ち合わせているだろう藤井聡太棋士は2、3、5、7、12、とかかな、それらの超人は別格としても、活躍し続ける人はいずれかの上手要素を備えていることは間違いないようである。14のうち1つでも体現出来ている人は残りの13の強みのうち1つでも2つでも体現できるようになれば活躍し続ける人になれるのである。

                   記

活躍する人たちの14の強み(著作権オフィスデザインと創発研究所吉田聡。無断転載禁止)

  1. 好奇心わくわくで自然と新しいことに一歩を踏み出す遊び上手
  2. 先入観なく謙虚に学びながら挑む学び上手
  3. 事実の前提を疑い自説を作る探究上手
  4. 葛藤のある不快な状況においてすらも何らかの意味を見出そうとし、ちょっとだけ自分の考え方や行動を前向きに変えることが出来る向き合い上手
  5. 他者の目線で世界を見て自身の価値観や世界観に固執しない解きほぐし上手
  6. 理不尽さに勝つ折り合い上手
  7. 評価を求めず淡々とやり続ける持続上手
  8. 目立ちたがり屋ではないが注目を浴びることを厭わない盛り立て上手
  9. 異質な相手とも積極的に交流して世界を広げる交流上手
  10. 自分の強みや足りなさなど自分をメタ認知出来る内省上手
  11. 自分をさらけ出して相手の懐に飛び込む愛され上手
  12. 自分なりの学習方法を獲得する自信獲得上手
  13. 自分ができないことを自覚して他者の支援を求められる要請上手
  14. 他者を幸福にする幸福上手

  15. この人も活躍する人?



2023年10月3日火曜日

マルチパラレルキャリアワールドの歩き方。

 人生100年時代と言われるがかつての日本社会の就業コンテクストがシングルステージ(終身雇用)であったのに対して今日の就業コンテクストはマルチステージ(転職の時代)になったさらにそれだけでなく副業の波も押し寄せてパラレルステージ化も進行している、スキー競技に例えればかつての就業観がダウンヒルだとすると、今はまさにスノーボードのハーフパイプみたいな感じでも専門バカ(死語かも)は生きにくい世の中で何にでも「挑戦する勇気」と「遊び心」と「我慢する忍耐」を器用に使い分けて多様な技を繰り広げながら仕事人生の下り坂を滑りぬけていくのである。ダメな人のパターンは挑めない、遊べない、耐えられないである。そういう人は、下り坂に足が竦み、やがて転倒してこんなはずじゃなかったと転がりおちていくしかない、そうならないためには人生のどのライフステージにあっても、傾斜任せでなく、「挑み」「遊び」、「耐える」ことを駆使しなくてはてはならない、挑むというのは、自己の快適パターンからの脱却だ。「遊び」とは。報酬を目的とせず目の前のことに意味を見出し時には理不尽にもじっと耐え、乗り越えていくそういう歩き方こそが、人生の傾斜という運命任せの必然ではなく、自由によって運命を引き寄せるなのである。





2023年10月2日月曜日

創発的リーダーシップを見分けるダブルループの創発

 グーグルも重要視している創発的リーダーシップ、創発とは状況の認知的リソース経験の認知的リソースから、認知的変化により新たな知識を生成することであり、創発的リーダーシップとは未知の複雑な状況において最適な選択肢を見出してその言動で周囲を巻き込む人材である。決して社会的課題を嗅ぎつけて言葉巧みに自分の権威付けに利用する人似非リーダーではない。創発的リーダーシップと似非リーダーシップに見分けは、新たな選択肢という知識の創発の有無とその選択肢に周囲が巻き込まれる大域的アトラクター(こちらは社会現象的創発)とダブルループの創発が起きているか否かで出来る。さて日本の現首相は少子化課題で異次元の対策という虚構の言葉遊びをして、今度は生成AI(人工知能)に関し「日本が主導して国際ルール作りを進めている」とか言っちゃったらしい、これもまた実のない話だ空虚な言葉で恐らく世界の誰も追従しない。下手をしたら似非確定かもしれない。とほほな話だ。




2023年10月1日日曜日

ラグビーが人類を救う?平尾誠二さんの言葉を心に刻もう

 ラグビーW杯が盛り上がる中ラグビー日本代表と言えば必ず思い出すのが故平尾誠二さんである。平尾誠二さんの輝かしい実績、経歴はここで触れるまでも無いが、ips細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥氏との交流から見える平尾誠二さんの人生との闘い方はより良い生き方のお手本であるだろう。

平尾誠二さんは本も出てるし、NHKで番組になってテレビで放送されているのでご存じの方も多いのでは無いだろうか、特に晩年、平尾さんと山中さんの交流の中で山中伸弥さんは、彼は僕にいろんなことを教えてくれた。

そのなかで一番響いたというかいまだに堪えているのが「人生は理不尽なもんや」っていう彼の言葉なんです。

と言う。

生前からね、彼は私に言ってくれました。

「いちいちワアワア言うな」と。「先生、人生はうまいこといかなくて当たり前だから」と。ラグビーのボールがそうで


、楕円形だからどこに転がるかわからない。完璧に蹴ったつもりが相手のほうに転がって、相手のチャンスになったりもすると平尾氏らしいエピソードも使って山中伸弥氏に伝えたそうである、そういえば今回のW杯でも 日本代表はイングランド戦でイングランド選手の頭に当たったボールをノックオンだと思って日本代表がトライを許すことがあり平尾氏が言う通りの理不尽に、日本国民が一喜一憂する場面があった

しかし上手くいかなくて当たり前と言う平尾氏のメンタリティは代理経験観察学習として誰もが心に留めるべき認知リソースであると言えるのでは無いだろうか

私が平尾氏のそのメンタリティが日本代表チームに受け継がれてれいるように思えたのはサモア戦での日本代表の勝利を見た時だった。

フィジカルの強いサモアの選手と対峙してもワアワア言わず自分達のプレーに集中する日本代表を見たら平尾誠二氏はなんと言っただろうか、

そんな事がとても気になるW杯なのである、平尾誠二さんはこうも言っている ただし、誤解のないよう断っておきたいが、私は子どもたちや若い人を強制的に理不尽な目に遭わせろといっているわけではない。それがいいことだとも思っていない。理不尽を好きか嫌いかと問われれば「大嫌い」だ。未だ星一徹は好きになれないし、「体育会」の運動部のように、理不尽なことを強制するなんて、レベルの低いことだと考えている、と。彼は決してジャニーズを擁護しないだろう。

理不尽を強いたり忖度して正当化するような社会であってはいけない。

山中伸弥氏のIPS細胞は間違いなく人類救う発明者であるが、その山中伸弥氏の心に響いた平尾誠二さんの言葉は人類を救う言葉だと言えるのかもしれない。

僕達は平尾さんになることも日本代表としてW杯で闘うことも出来ないが、平尾誠二さんの人生の物語り考えに触れ、日本代表の闘いをテレビなどで観ることは出来るそしてそれらを自らの認知リソースにすることができるのだ。「人生は理不尽なものだからいちいちワアワア言わずに理不尽を乗り越える。ことで創発する世界があるのだ。僕は平尾誠二さんの言葉を胸にアルゼンチンとの大一番をテレビ観戦しようと思うのである。