ゲームをプレイすることは、ルールの認める手段「ゲーム内部的手段」だけを使ってある特定の事態「前提的目標」を達成する試みであり、そのルールより効率的な手段を禁じ、非効率な手段を推す「構成的ルール」、そしてそうしたルールが受け入れられるのは、そのルールによってそうした活動が可能になるという、それだけの理由による「ゲーム内部的態度」。
「キリギリスの哲学(The Grasshopper - Games, Life, and Utopia -) Bernard Suits 著 川谷茂樹・山田貴裕 訳 P.37より引用
バブル崩壊後の日本企業で多く用いられた成果主義は実施数年後に見直せざるを得なくなりました。
実際の企業の声として「導入によって会社の文化が壊れた」という話を聞いたとき、成果主義の持つ問題 がとてもクリアになったことを記憶しています。
最近の東芝の事件にしても「成果」ありきの経営の問題点を浮かび上がらせているます。
また、国際社会においても、自国の利益という「成果」のためだけの行動が問題を生んでいることは明らかでしょう。
この「成果主義」の問題を考える時思い出すのか以下の論文です。
The Influence of Goal Orientation and Self-Regulation Tactics on Sales Performance
Vande Walle, D., Brown S.P., Cron, W.L., and Slocum, J.W. (1999)
A learning goal orientation had a positive relationship with sales performance. This relationship was fully mediated by 3 self-regulation tactics: goal setting, effort, and planning. In contrast, a performance goal orientation was unrelated to sales performance.
These results suggest that a focus on skill development, even for a veteran workforce, is likely to be associated with higher performance.
Management should seek evidence of a learning goal orientation when selecting new employees, while avoiding an excessive focus on performance goal orientation without a comparable skill-development focus.
意訳すると「営業成果と成果達成志向は関係が無く、学習達成志向が肯定的な相関を持つ。」というものです。
これは、「いくら売ること」ではなく「いくら売るにはどうすべきか考えて力を尽くすこと」としたほうがパフォーマンスが高かったという研究結果です。
この研究はとても示唆的です。
売るための「手段」「ルール」「態度」の達成が成果に直結することを解明したものだからです。
また、拡張形成理論によれば、達成を通じて人は成長していきますから、学習達成と成果は更なる拡張のステップとなります。
要は時が経てば立つほど営業成果に差が出る構造です。
つまり、手段は問わず成果を出そうとする行為よりも、「ゲームをプレイ」する行為のほうが多くのことを学ぶことが出来るのです。
さて、「ゲームをプレイすること」ではルールより効率的な手段が禁じられます。
そこに生じるのが「公正さ」への貢献です。
一方、成果達成主義は、「公正さ」がなおざりにされ様々な局面、場所で強い軋轢が生じます。
しかし、どんなに軋轢があったとしても、学習達成主義を成果達成主義に鞍替えするのが一番悪い選択であることは疑いようがありません。
学びの多い道を行け