犬と一緒に暮らしていると、彼の能力のびっくりすることがたくさんあります。
そのひとつが「スイカ」です。
彼は、高齢にもかかわらず食欲が強いのですが、健康管理もあって基本、食事は決めた物を決めた量だけ食べさせていません。例外が、犬用のおやつとキャベツとキュウリ。キャベツとキュウリは身体に悪くないようですので、料理のついでにもらっていたようですが、今年の夏、瓜系ということで何気にスイカをもらってから彼の行動が劇的に変化しました。
変化が見られたのは、なめらかな行動ですが実はすごく多彩な行為の連鎖です。要素分解してみると
1.予測・・・・・人の食事がもうすぐ終わりそうだということを的確に予測する
2.期待・・・・・食事が終わるとスイカを食べるだろうという期待で鼻が鳴ってしまう
3.催促・・・・・「待ちきれないよ」という顔つき(口が半開き)で顔を見つめる
4.全身表現・・・人がスイカを食べているすぐ横でジャンプを繰り返す
5.食・・・・・・容器に出してあげるとすぐに食べる
6.おねだり・・・もっと食べたいとアピール
7.探索・・・・・容器が空か何度も確認
8.驚き・・・・・注意を逸らせて容器にそってスイカを追加しておくと見つけた時に驚く
7.判断・・・・・もう、もらえないと判断しテンションを下げる
これは、なめらかな行為の代表的な例ですが、1と2だけで放っておくと7に行き、ごろっと横になり寝てしまいますが、スイカの匂いを嗅ぎ付けた瞬間に目覚めて3からの行動をとるなどじつに適応的です。
すばらしいですね。
特に、スイカがまだ出ていない段階で行為が創発している(1、2、3)ことは驚嘆ですし、一度食べた後の行為(6、7、8)も複雑な要素の組み合わせです。
彼が「人」(この場合私)を足場として行為を創発していることは間違いありません。また、朝はこのような行動を見せませんから、「夜+人+食事」という環境が彼の行為をアフォードしているのです。
また、8の驚きは間違いなく7の探索を強化しています。つまり「夜+人+食事+偶然的可能性」がさらなる行動を引き出しているのです。
彼は、決して人のように考えていることはありません。なめらかな行動を観察して、彼の内面を人格化してしまいがちですが、人のように考えて行動していることはないでしょう。
つまり、彼は深い思考によらずに高度で複雑(に見える)な行動によって人間の日常生活に適応しているのです。
スイカは彼の食欲レベルを高める刺激=快楽です。そのレベルが高いゆえにすぐに学習しさらに行為が複雑化するのでしょう。ちょうど、LINEなどが多くの人に好まれて受け入れられていくと使い方やサービスがどんどん複雑化するようなものです。
”好きこそ物の上手なれ”
故事ことわざ辞典では「熱心に努力をするので」というくだりがありますが、彼はスイカが好きで貰うことが上手ですが熱心な努力はうかがえません。私たちは「好き」と「上手」の間に「熱心な努力」という思考の優位性をつい挟んでしまっているのではないでしょうか。
こんな一面もあります