このように、運動神経が先天的なものである一方、後天的に運動能力を高めることが可能です。それは、トレーニングによって筋力をつけたり、筋力を効率的に運動に変える方法を身につけることです。
例えば、サッカー日本代表の本田選手は足の遅さを走るフォームを矯正することでカバーしたそうです。そして普段、私は試合を観ていて本田選手の足が遅いと感じる事はありません。
「科学的な矯正と鍛錬によって人並みの能力を獲得することができる」
この事実は人に勇気を与えます。
しかし、気をつけなくてはいけないのは、「人並み」であって、「ずば抜けた能力」ではありません。先天的なギフトを得ている人が「科学的な矯正と鍛錬」を行った場合に肩を並べる事はできないでしょう。
これは、「科学的な矯正と鍛錬」に偏った科学万能主義、精神主義に対する警鐘を意味します。
また、運動能力に限らず、学習能力、仕事能力、経営能力、対人能力など、行為において課題を遂行する場面に共通する「事実」です。
思考には限界がありません。ゴルフの練習しているとき、頭の中では、「右手はこうして」「頭はこの位置で」などなど、身体の部分を中央集権的にコントロールしているつもりになっていますが、本人が意識しているほど身体の動きは変わっていません。疲れて筋力が落ちたり、集中が切れて雑になったりしたことに、身体は勝手に柔軟に対応しているのです。ですから、「科学的な理論」と「地道な鍛錬」を身につけながらも、「自分の身体性」を信じて過剰に「意識」に依存しないことが肝要だと思います。
ところで、人並み、人以上という向上心が無く、諦め(自己否定)や自己限定、見下し、怠け癖があると、どんなに「先天的なギフト」があったとしても「身体性」は発揮できません。このような、意欲、謙虚さなど、気質と捉えられる要因も「自分に向き合う能力」と考えたほうが良いかもしれません。
ギフトを活かす














