身近なアマチュアマラソンランナーたちを観察していると、ある共通した「気質」のようなものが見えてくる。
基本的には、非常にアクティブでじっとしていることがない。その積極性は対人関係でも同じで、困っている人がいれば黙って見ていられず、すっと手を差し伸べる親切さがある。何より、どんな困難も粘り強くやり切る「挫けない心の強さ」を備えている。 性格的に表現するなら、継続力と達成意欲が極めて高い人たちだ。
……と、ここまではポジティブな印象なのだが、実はもうひとつの側面(ネガティブな印象)もある。
それは、「自分のレース」を走ろうとするあまり、自分と同じように走ろうとする他者の存在が、途端に邪魔に思えてしまうことだ。
そのためか、人との関わりにおいて態度が急変することがある。 要するに、自己中心的で自己正当化の傾向が強くなるのだ。さっきまで妙に面倒見がよくて温かかったはずなのに、急に邪魔者扱いをして無視し始める。関わっている側からすると、「あれ?」と戸惑ってしまう瞬間がある。
その変身スイッチが入る境界線は、その人が「自分のレースの中にいるか、外にいるか」なのだと思う。
もちろん、これはマラソンランナーに限った話ではない。けれど、社会という違うフィールドであっても、彼らの姿からはどこか共通する「ランナー気質」を感じてしまうのだ(あくまで個人的な感想ではあるけれど)。
だからこそ、相手の態度が変わったときは「あ、今スイッチが入ったな」と静かに受け止めることにしている。そして、こちらもそっと行為選好の「コラボスイッチ」を切る。
「どうぞ、お好きなように自分のレースを走ってください」
お互いのために、そう心の中で唱えながら適度な距離を保つのが、一番の付き合い方なのだと思っている。
