2013年8月4日日曜日

キャリア・ホープという光明が射す場所

先日、社内の30代向けに行った対話の場作りでキャリア・ホープの概念を引用しました。キャリア・ホープとは「当該時点において、無数に存在するキャリアに関する将来の可能性のうちに、当人にとって望ましい状態に到達するもの(可能性)が存在している、という感覚」加藤(2001)と定義されます。仕事場面で、見失いがちな未来への「希望」が一筋の光明として差し込む瞬間があります。この、一筋の光明を得る瞬間はある意味、「アハ体験」なのだと思います。

「アハ体験」という言葉は茂木健一郎氏が世に広めていますが、「ひらめき」を得る脳の働きから来ると考えられるそうです。なぜなら、不確実性(危険察知)への適応とひらめきの脳回路は同じ場所をつかっていることがわかっているからです。であれば、確かめたわけではありませんが、不確実性の高い場所に居るほど、「ひらめき」の可能性が高いとも言えるでしょう。

逆に、安定性の高い場所に居るほど、「ひらめき」の機能は失われて行くのかもしれません。「茹で蛙」というやつですね。なんだか、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を連想してしまいます。

不確実性への適応は、学習からもたらされます。例えば、アフリカのサバンナで生息する草食動物が、生まれてすぐ立ち上がり、群から離れないように移動するのは本能であり、直感です。しかし、ライオンなどの肉食動物を「危険」と認識するのは、経験から得る学びです。さらには、草の間に動く影をライオンではないかと意識するのは「ひらめき」です。草の影とライオンの容姿、動きを組み合わせて推論しているのです。学習の結果を使っているので、「ひらめき」は「直感」と違って説明が出来るのです。

30代社員にキャリア・ホープという言葉が刺さることも、実は「アハ体験」です。自身のキャリアにまつわる不確実性のなかで得る「ひらめき」です。そして、「アハ体験」は、もうひとつ重要な効果があります。脳の活動を活性化します。もともと、危険察知の回路なので、”スイッチ”が入るのです。

手続き的に記述すると以下のようになります

学習+不確実(脱予定調和、不安)、危険(同調しない、不快)に向き合う→「ひらめき」により一筋の光明が射す→脳をはじめ、身体が活性化して適応力が高まる→危機回避、イノベーションへ

キャリア・ホープという考え方で言えば、キャリアにおける危機や閉塞があるから、向き合う者に光明が射すのでしょう。


光へ