これは有名な、大谷翔平選手が夢を叶えるために作成した目標設定フレームワーク「曼陀羅チャート」である。
曼陀羅チャート(マンダラチャート)とは、3×3の9マス(またはそれを9つ並べた9×9の81マス)のグリッドを使用し、目標設定やアイデア整理を行うフレームワークだ。仏教の「曼荼羅」に由来し、中央から放射状に発想を広げていくデザインが特徴で、思考の可視化や構造化に優れている。
【曼陀羅チャートの基本構造】
中心の9マス(核心)
中央のマス:達成したい「最大の目標」や「メインテーマ」を記入する。
周囲の8マス:メインテーマを達成するために必要な「要素」や「サブテーマ」を8つ記入する。
周囲の8つの3×3ブロック(展開)
中心の周囲8マスに入れた要素を、外側の各3×3ブロックの「中央マス」に転記する。
その中央マスを達成するための「具体的な行動(アクションプラン)」を、さらに周囲の8マスに展開する。
【主なメリット】
目標が具体的・行動レベルになる:漠然とした夢や目標も、81マスを埋める過程で「明日から何をするか」という具体的な行動に落とし込まれる。
思考の偏りを防げる:8つの異なる視点からアプローチするため、バランスの取れた計画が立てられる。
全体像が一目でわかる:中心のゴールと末端の行動要素が1枚のシート上に整理され、視覚的に把握しやすい。
大谷選手はこの曼陀羅チャートを高校時代に指導を受けて作成したが、実は幼少期にも、父親との間に「3つの約束」があったという。
1. 大きな声を出して、元気よくプレイする 単に声を出すのではなく、連係プレイを含めた確認作業をするため。アウトカウントやストライクカウントなどを大きな声で確認し合ったり、「セーフティバントをされそうだぞ」と互いに声を掛け合ったりと、元気よくプレイしながらコミュニケーションを大事にしてほしいという思いが込められていた。
2. キャッチボールを一生懸命に練習する 単に肩を温めるためではなく、「自分が意図するところ、狙ったところに投げる」こと。指にかかった縦回転のスピンが効いたボールを投げるため、キャッチボールの段階から高い意識を持って取り組むことを求めた。
3. 一生懸命に走る 野球は走るスポーツでもあるため、力を抜かずに最後まで全力で走ることを指導した。
(参考:佐々木亨『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』扶桑社BOOKS文庫)
高校時代に作成した曼陀羅チャートは、幼少期の「3つの約束」の延長線上にあると考えると、このチャートがいかに実践的なフレームワークであったかがよくわかる。
曼陀羅チャートとは、大谷翔平選手が夢を叶えるために打ち立てた、いわば「自分との約束」だったのだ。
