人間が特定の状況に対峙した際、直感的に立ち上げる「行動や判断の選び方(行為選好)」。6MoN(ロクモン)では、これを「A:アクティブ」「B:コラボ」「C:エシカル」「D:インサイト」の4ワールドとして二次元空間(4象限)上に配置しています。
この構造は、認知科学や組織行動論における代表的な理論モデルとも極めて高い整合性を持っています。本稿では、6MoNの基底にある4つの学術的根拠を整理し、既存の診断モデルとの根本的な違い(独自性)について解説します。
1. 6MoNの4ワールドを支える4つの理論的根拠
社会行動や人間の価値意識を分析する主要なフレームワークは、いずれも「直交する2軸のテンション(緊張関係)」によって二次元空間へ収束することを示しています。
① 競合価値フレームワーク(Competing Values Framework)
代表的研究者: Robert E. Quinn & John Rohrbaugh (1983)
二次元軸の構造: 「柔軟 ↔ 統制」 × 「内部指向 ↔ 外部指向」
6MoNとの対応関係:
外部指向 × 柔軟 = A(アクティブ): 外部環境への迅速な働きかけと即効的突破
内部指向 × 柔軟 = B(コラボ): 内部の関係性の調整・協働と柔軟な呼応
内部指向 × 統制 = C(エシカル): 秩序・規範・責任の維持による内部の安定
外部指向 × 統制 = D(インサイト): 物事の構造化・本質探究による客観的な見立て
② エージェンシーとコミュニオンの二大特性理論(Agency & Communion)
代表的研究者: David Bakan (1966) / Jerry S. Wiggins (1979, 対人行動円環モデル)
二次元軸の構造: 「エージェンシー(自己貫徹・自律・主張・行動)」 × 「コミュニオン(他者結合・協調・関係維持)」
6MoNとの対応関係:
個としての主張や行動(A)と、他者との関係維持・調和(B)という社会行動の基底ベクトルが直交座標を形成することを直接的に証明します。
③ シュワルツの基本人間価値理論(Schwartz's Theory of Basic Human Values)
代表的研究者: Shalom H. Schwartz (1992)
二次元軸の構造: 「変化への開放性 ↔ 保守」 × 「自己超越 ↔ 自己拡大」
6MoNとの対応関係:
行為選好の背景にある価値意識(革新を試みるD/A ↔ 秩序や継承を守るC)が、なぜ正反対の相克的な配置をとるのかを論理的に裏付けます。
2. 既存モデルと一線を画す6MoNの独自性
堅牢な学術的基盤を持ちながらも、6MoNは既存の理論や診断ツール(MBTIやDiSCなど)の単なる「焼き直し」ではありません。むしろ、その活用思想において決定的な対比をなしています。
1. 「固定的な型分け(Who you are)」から「動的な選択(行為選好)」へ
多くの既存モデルは、二次元空間を「人間を特定のタイプに分類・固定するための静的なマップ」として扱いがちです。
これに対し6MoNは、二次元空間を「文脈や役割に応じて、いま・ここでどのベクトルを立ち上げ、どう選び直せるか」を映し出す動的なコンパスとして再定義しています。ミニマルセルフでの直感的立ち上げと、ナラティブセルフ(Veto/意識的選択)による選び直しのプロセスを可視化する点に本質的な違いがあります。
2. 「非評価の倫理空間」としてのデザイン
6MoNの4ワールドは、能力の高さや性格の優劣を測る尺度(Rating)ではありません。すべての極が等価であり、状況に応じて不可欠とされる「非評価の可視化空間」として機能します。これにより、評価されることへの脳の警戒アラートを解除し、安全で誠実な対話の場を生み出すことが可能になります。
おわりに
競合価値フレームワークや対人行動円環モデルをはじめとする先行研究は、6MoNの二次元空間モデルが高度なアカデミックの堅牢性を備えていることを裏付けています。
固定的な「タイプ診断」の枠組みを超え、一人ひとりが自らの行為選好を自覚し、柔軟に立ち上げ直すための「心理コンパス」として、6MoNは学術的妥当性と実践的探究の両立を目指しています
