NHKで特集が組まれるほどミッドライフクライシスは深刻な問題となっているが、ヴィクトールフランクルがロゴセラピーで言うところの自己過剰観察が一因ではないかという考察である。
自己過剰観察とはネガティブな感情で、自分を他者との比較において必要以上に見つめてしまう状態である、他人に比べて自分はなんて不幸だ、ここが劣っているそこが劣っていると考え続けることで空虚感、無意味感に苛まれる精神状態で、第2次世界大戦後、復興を遂げる世界各地で若者の間に蔓延した空虚感の原因とフランクルは考えた。戦後復興期と現代日本は状況が全く異なるが、ミッドライフクライシスで取り上げられる、空虚感無意味感といった精神状況はは極めて類似性が高いように思える。過去の経験の否定と無意味化からが徐々に精神全体を蝕んでしまい、人生の無意味化から自己否定に至るというプロセスは、過去の経験が戦争であっても、就職氷河期であっても関係ないのかもしれない。ヴィクトール・フランクルは自分ではどうしようも無い運命的な出来事を超意味として、信じることが人生の意味において大事であると言い、戦後、アウシュビッツなどの抹殺収容所などに関しても非難の声を上げることは無かったという。変えられない避けられない過去の運命的経験が自分の精神を蝕むことを防ぐ叡智なのであろう。
クライシス