2026年3月8日日曜日

昔銀行員だったこと就活トレンドには要注意?

整理して出てきた、かつての「証拠写真」

それは今なら確実に「アウト」な一枚でした。

写真の中の私が向き合っていたのは、大量の現ナマ、山のような規定類、そしてそろばん。イメージしていたコンピュータを駆使するスマートな仕事など、当時の職場には微塵もありませんでした。

大学を出たばかりの生意気な若造に、銀行員の基礎を叩き込んでやろうという教育方針だったのでしょう。しかし現実は、理不尽さとパワハラに耐えながら、日々泣きそうになっていた記憶ばかりが蘇ります。

バブル前夜、トレンドに流された代償

当時の就活はバブル前夜。空前の金融ブームに沸いていました。

ゼミの同期も多くが銀行や生損保へ。就活に迷走していた私も、結局はその大きなトレンドに乗っただけでした。

銀行員としての覚悟も知識も空っぽのまま、なんとか4年ほどは踏ん張りました。しかし、どうしても肌に合わず、結局は退職の道を選びました。

3000万円の損失と、逆転した評価

退職を決めた際、他行の先輩からはこう励まされました。

「銀行員を辞めるなら、退職金も含めて3000万円は損をする。その分は外で稼がないといけないよ」

それほど当時の銀行員は、高収入が約束された「美味しい仕事」だったのです(もちろん、若手の給与は雀の涙でしたが)。

ところが数年後、バブルが弾けて不良債権問題が噴出。銀行員の給与が大幅にカットされると、かつての忠告は一変し、「いい時に辞めたね」と言われるようになりました。

損得を超えた「宿命」の始まり

結局のところ、この経験は損得の問題ではありませんでした。それは「あるべき自分」に気づくための、認知の扉を開く儀式だったのだと思います。

金銭的な損得は、長い人生の中でなんとなく辻褄が合ってしまいました。しかし、経済性というシビアな現実にヒリヒリしながら生きることは、あの扉を開いた瞬間からの宿命になったようです。

札束を前ににっこりと笑う姿は、間違いなく「あるべき自分の姿」ではなかった。今、その証拠写真を眺めながら、改めてそう確信しています。