「あなた自身のことについてうかがいます。」
これは、パーソナリティ診断のはじめの問いかけです。
人はなぜ、自分や他人の内面に想いを馳せるのでしょうか。
アメリカのネイティブ(先住民族)には様々な伝承があるようですが、その知恵には「はっ」とさせられるものが少なくありません。そのなかのひとつ、現代ラコッタ族のすぐれた伝承の語り手、ケビン・ロックが以下のように語ったそうです。
”グレート・スピリッツであるワカタンタは、六つの方角を決めた。すなわち、東、南、西、北、上、下である。しかし、まだひとつだけ、決められていない方角が残されていた。この七番目の方角は、すべてのなかでもっとも力にあふれ、もっとも偉大な知恵と強さを秘めている方角だったので、グレート・スピリッツであるワカタンタは、それをどこか簡単には見つからない場所に置こうと考えた。そしてとうとうそれは、人間がものを探すときにいちばん最後になって気がつく場所に隠されることになった。それがどこであったかというと、ひとりひとりの心のなかだったという話だ”
「それでもあなたの道を行け NATIVE WISDOM」 ジョゼフ・ブルチャック著
デビッド・ウィルリッチは、キャリアを登るものだけでなく、モザイク型キャリアと形容し多様な知識と機会の大切さに気づき人材経営の視点を定めました。最近ではこのモザイクは「不連続の専門性」とも言われます。人と仕事と組織のデータを解析すると本当の地図のようなキャリアマップが出来ますが、その経験を経たうえでの、ワカタンタの六つの方角と残された七番目の方角はとても重要な問いかけでした。
自分の周りには、すぐに踏み出せる近接領域から遥か地平線まで可能性が広がります。それは、大地だけでなく、機会(キャリア、ライフプランなど)もそうです。水平方向だけでなく、上にも下にも広がりますが一番大切なのは、そこに立つ自身の心です。それは「主体性」「自立」「リーダーシップ」「プロフェッショナル」「アイデンティティ」などなど様々に表現されますが、「七番目の方角」という表現は、とてもイマジネーションに富み、感性に届くものです。キャリアのドリフト&デザインにおいて問われるのは自分の心、つまり「七番目の方角」なのです。
人は「七番目の方角」に気づくことが大切だから、自分や他人の内面に想いを馳せるのでしょう。
七番目の方角とはいったい・・・