このころのジョブズの様子を伝える記事がネット上にありました。(署名が無いので誰の記事かわかりませんが・・・)挫折の渦中にあって、居場所の無さと、それでもビジョンを失わない様子が伺えます。
インタビューはまさにそのころのジョブズの姿を捉えたものです。全編は見ていませんが、特別映像が公開されていて、そこに、エピソードを交えてジョブズの「情熱をもって働くチーム」のイメージが語られています。以下、その部分を抜粋しました。
”成功を信じて突き進むチームを見て思い出すのは、子供のころ、近所に住んでいた老人のことだ。妻に先立たれた80代の男性で見た目が少し怖かった。私は芝刈りのバイトか何かで彼と知り合うようになり、ある時、ガレージで古い研磨機を見せられたんだ。モーターとコーヒー缶をバンドで繋げたものさ。そこから裏庭に出て一緒に石を集めた。何の変哲もない石だよ。彼は、石をいくつか缶に入れ何かの液体と砂粒を加えた。そしてモーターを動かすと”明日、また来い”と言うんだ。缶は激しく音を立てていたよ。翌日、彼を訪ねて缶を開けてみると驚くほど美しく磨かれた石が出てきたんだ。缶に入れた時はありふれた石だったのに、石がこすれ合うことで摩擦や騒音はあるがそれで美しく磨き上がる。私にとっては、この体験こそが情熱を持って働くチームの象徴なんだ。ズバ抜けた才能を持つものが集まって、ぶつかり合い、議論を戦わせ、ケンカして怒鳴り散らす、そうやってお互いを磨き合いアイデアをも磨き上げて美しい石を創り出す、これは説明するが本当に難しい。一人の力ではないしね。”
映画「スティーブ・ジョブズ 1995~失われたインタビュー~ 」特別映像より
美しく磨き上げられた「変哲のない石」はジョブズの感性に深く刻まれて、時を経て、チームワークの理想の姿と重なるようになったのでしょう。
このように、感性に刻まれた経験は、人の価値信念の礎石となるものです。ジョブズにとっては、チーム内で仕事に対してぶつかり合いケンカすることは「良いこと」になるわけです。そしてそれは「社員にギリギリを要求しました。傍若無人に振る舞いました。つまりジョブズは独裁者だったのです。」となるわけです。もともと持っていた価値信念に感性が反応したのかもしれませんが、価値信念が強化されるプロセスであることは間違いないでしょう。
また、個人的な印象としては、彩色(見つける、繋げる、広げる)な感性を持っている方は彩色な価値信念を、脱色(事実、分析、批評)な感性を持っている方は脱色な価値信念を持っているようにも感じますので、こんな観点で感性と信念の関係性を考えていきたいと思います。
彩色と脱色
