グーグルの「オキシゲン・エイト」と山本七平の「九徳」に見る、人望あるマネジャーの条件
1. グーグルのオキシゲン・プロジェクト
Googleはマネジャーの質向上を目的に「オキシゲン・プロジェクト」を実施し、データ解析を通じて8つの望ましい行動特性と3つの陥りやすい罠を明らかにしました。
8つの重要な行動(重要度順)
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良きコーチである
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チームに権限を与え、マイクロマネジメントしない
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メンバーの成功と幸福に関心を持つ
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生産的かつ成果重視である
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良きコミュニケーターであり、傾聴する
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キャリア開発を支援する
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明確なビジョンと戦略を示す
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技術的スキルを持ち、助言できる
陥りやすい3つの罠
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チームへの移行に苦労する
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業績評価・キャリア開発に一貫性を欠く
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管理やコミュニケーションに十分な時間を割かない
要約すれば、「メンバーとその未来に積極的に関わり、対話し、明確な意思を持ち、仕事のツボを押さえるマネジャー」が理想像です。
2. 山本七平氏の「九徳」
一方、山本七平氏は『人間集団における人望の研究』で、古典『近思録』にある九徳を引用し、人望を集める指導者の資質として提示しました。
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寛にして栗(寛大だが締まりがある)
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柔にして立(柔和だが処理能力がある)
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愿にして恭(真面目だが丁寧で親しみやすい)
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乱にして敬(治める力があり慎み深い)
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擾にして毅(おとなしいが芯が強い)
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直にして温(正直だが温和)
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簡にして廉(大らかだがしっかりしている)
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剛にして塞(剛健で内面が充実)
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彊にして義(勇敢で義理堅い)
これらは概念的・人格的な資質を示しており、欠けた場合の「望ましくない状態」も明確にされます。
3. 両者の関係性
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オキシゲン・エイト:具体的な行動様式を明示
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九徳:概念的・人格的な指針を示す
両者を重ねてみると、オキシゲン・エイトは「九徳」を行動レベルに落とし込んだ具体例ともいえます。
例えば「良きコーチである」は「柔にして立」「愿にして恭」に通じ、「明確なビジョンと戦略を示す」は「剛にして塞」「彊にして義」に通じます。
4. 現代的示唆
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スキルや能力志向だけでは人望は築けない。人格的資質と日々の行動が一致する必要がある。
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データで裏付けられた行動特性(オキシゲン・エイト)と、文化・歴史に根差した徳目(九徳)は補完関係にある。
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マネジャー育成では「行動評価」と「人格形成」の両輪が不可欠。
まとめ
オキシゲン・エイトは人望を獲得するための「行動マニュアル」、九徳はその背骨となる「人間的器」。
両方を意識して育成することが、現代組織における持続的なリーダーシップの源泉となるでしょう。
