「人材は測るな、物語れ」
パーソナリティとアイデンティティから学ぶ人材開発の未来
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パーソナリティは「その人らしさ」を予測する道具。行動の一貫性を測り、適性を見極める。
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アイデンティティは「唯一無二の物語」。実体験と記憶の積み重ねで、その人が歩んできた道を示す。
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VUCA時代に必要なのは、測るだけでなく物語ること。推測の枠に人を押し込むのではなく、経験と可能性を紡ぎ出す視点。
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結論:人材開発のカギは、「予測できるらしさ」と「唯一無二の物語」を両立させ、社員の可能性を解き放つことにある。
「らしさ」と「物語」が未来を決める ― パーソナリティとアイデンティティを人材開発に活かす方法
パーソナリティは「予測可能な一貫性」
ビジネスの現場では、パーソナリティは採用・配置の基盤として用いられることが多いです。心理学的にはパーソナリティとは、異なる状況下でも比較的予測可能な一貫性をもつ行動傾向を意味します。
平易に言えば「その人らしさ」。
この「予測可能な一貫性」は、未経験の職務に対する適性を測る際にも役立ちます。ただし、その根拠はアブダクション(仮説推論)に基づく「そうしがちである」という推測にすぎず、必ずしも本人の全体像を表しているわけではありません。
アイデンティティは「唯一無二の物語」
一方で、アイデンティティは推測の産物ではなく、その人が歩んできた実体験と記憶から紡がれる唯一無二の物語です。
自己認知においても他者認知においても、アイデンティティは「その人が何者で、どこから来て、どこへ向かおうとしているのか」を示す羅針盤となります。
実際、長年パーソナリティ測定に関わってきた経験からも、自己回答式の結果に対する納得度は60%前後と言われています。推論に基づく「らしさ」の提示には限界があるからです。それに対して、アイデンティティは事実の積み重ねに基づくため、本人にとっても他者にとっても深い納得をもたらします。
SNS社会が映し出す「推測の危うさ」
今日のSNS社会は、パーソナリティ概念に潜む危うさを顕在化させました。プロフィールや投稿を手掛かりに「この人はこういう人物だ」と推測された像は、しばしば実態と乖離した虚像を生み出します。その虚像が拡散されることで、本人の評価やキャリアの可能性までも歪めてしまうのです。
人材開発にどう活かすか
企業が人を理解し活かすためには、「パーソナリティのらしさ」と「アイデンティティの物語」双方を補完的に扱うことが欠かせません。
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パーソナリティ … 職務適性や行動傾向を予測する「未来の可能性」を測る道具
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アイデンティティ … 本人が歩んできた「唯一無二の軌跡」を理解し、成長の糧とする資源
VUCAの時代には、この二つを組み合わせて「人を枠にはめるのではなく、可能性を解き放つ」人材開発のアプローチが求められます。
結論 ― 「らしさ」と「物語」が未来を決める
人は推論によって「らしさ」を測られ、一方で物語によって「唯一無二の存在」として認識されます。
この二重性を理解することこそ、採用・育成・エンゲージメントを成功に導くカギなのです。
だからこそ、企業は「人材を測る」から「人材を物語る」へと視点を転換すべき時代に来ているのではないでしょうか。