「自分はひょっとしてうつ病なのかもしれない」
そう思った彼はネットで調べて感じの良さそうな近所のメンタルヘルスクリニックに行ったそうだ。
そのクリニックのHPでは仕事帰りでも寄れるように診療時間を設定していることなど患者本位であることを強くアピールしていたんだって。
とはいっても、初めての経験だったので「あなたはうつ病です。ゆっくり休んでください」という天の声をもらえるのか、「いや、ぜんぜん大丈夫。気にしすぎですよ、あっはっは」とお笑いモードで吹き飛ばしてくれるのか、ビルの入口を行ったり来たりしながら診察シーンを想定していたそうな。
で、意を決して、受付に行ったら、
「うちの医院は完全予約制でしかも大変混んでいて新患はとらないんです」
「どうしても、というのでしたら1ヶ月以上先の予約でひょっとしたら予約できるかも・・・」
というまったく想定外の対応で思わず笑っちゃったらしい。
『メンタルの患者ってそんなに多いんだ』という驚きと『ネットに予約制なんて書いないじゃん』って頭の中に浮かんだって。
で、彼はその状況で笑える自分を省みて『あー、俺のマインド、全然健康だわ』と自然に思えたそうな。
「よかったね」というところで会話は終わった。
その話を聞いた後、ふと思ったのが彼がもし本当にうつ病だったら、とても辛い状況だったに違いないということだ。
毎日が辛いのに、いつ診てもらえるのかもわからないなんてもっと辛いよね。
他の病院を探すのだって楽じゃなさそう。
それと、以前、慶應大学医学部の教授が「私達は社会保障費で食べさせてもらっています」って言ってたけど、その観点から言えば、乗車拒否ならなぬ診療拒否は問題だよね。
まあ、「いつかは診ます(ひょっとして)」ならば拒否とまで言えないかもしれないけど、現実的に診てもらえないのは、バブル期の夜の銀座のタクシーと一緒だね。
さらに重箱の隅をつつけば、私達が払っている医療保険のごくごくごくごく一部がクリニックの収入になっているのに、行った時に診てくれないのって、乗車拒否より質が悪いんじゃないかなぁ。
病気になった時、適切な医療に掛かれる権利って健康保険加入者には無いのかしらん?
もちろん、この問題は、全ての保険医療機関共通だよね。だから友人が行ったクリニックが悪いわけじゃなんだと思う。
医療現場はほんとうに大変なのだと思います。
でも、強いメンタルがないと受診できないメンタルクリニックってどうなんだろうね。
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