これは作家、開高健さんがアラスカでオヒョウを釣った際に日本から同行した料理人に送った言葉だそうだ。
いや、これ、開高さんが素晴らしい作家であったことが瞬間で伝わってくる、とても素晴らしい言葉ではないか。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感を僕たちがどう統合して対象物を認知しているのか、実はまだわかっていないそうなのだけど、気持ちを込めた料理が口から入って心に感動を届ける感覚は誰もが持っているかもしれない。
もちろん、その逆もあって、気持ちの入っていない料理ほど心を凍らせるものもないよね。
で、ね。この言葉、味覚が中心だけど、ほかの感覚にも相通じるものがある。
例えば、
- 心に通ずる道は眼を通る
- 心に通ずる道は耳を通る
- 心に通ずる道は手を通る
- 心に通ずる道は鼻を通る
と置き換えてもいずれも成立する。
素晴らしい絵や彫刻や写真は眼を通して、素晴らしい楽曲や演奏は耳を通して、やさしい思いは手の温もりを通して、他者のための洗濯や労働の結果は鼻を通して、心に通ずる。
とにかく、僕たちの「心に通ずる」という感覚は生命同様、解明することが出来ないものかもしれないけど誰もが生まれながらに持っているものだ。