僕の住まいの近くにTiny Toriaというティールームがある。
イギリスに留学していた法政大学の長岡教授からクロテッドクリームをつける本場のスコーンが食べられると教えてもらったお店だ。
かつては女性の店主が一人でやっている非常に小さなお店だったのだけど、その後、近くに広い店を構え、店員さんも数人雇う繁盛店である。
最近は新型コロナウイルスの影響でイートインが出来なくなっているけど、それまでは店内はいつも女性がいっぱいだった。
一方、今はテイクアウトを充実させて僕一人でも立ち寄りやすくなったので、先日、ホワイトデーのクッキー類とキャロットケーキをTiny Toriaで買った。
店内に入り忙しそうな店員さんと、パソコンを開いて熱心に仕事をする店主の様子を見てなんだかちょっとホッとした気分になった。
ところで僕はケーキは嫌いじゃないけど、記憶に残っているケーキはそれほど多くない。
中には酷くて記憶に焼き付いているものもあるけど、すぐに思いつく美味しいケーキはこれまで2つだ。
1つは上目黒にあるヨハンのチーズケーキだ。
社会人に成りたての頃、職場の近くにあって食べることができたのだけど、これがチーズケーキなのか、と感動した。
もう1つは市ヶ谷にあったCafe Katyのアップルパイである。
法政大学長岡教授と慶應義塾大学加藤教授が開催していた「自画持参」が行われていたカフェでアップルパイはずっと月一回の楽しみだった。
さて、Tiny Toriaのキャロットケーキは2つのケーキに通じるものがある。
はてさて、なぜだろうかと考えてみたのだけど、どうやらその3つのケーキにはホームメード感が共通してあることに気づいた。
「やさしさ」や「素朴さ」が伝わってきてほっとするのだ。
僕がなぜそう感じるのか、残念ながら自分でもよくわからない。
これまでも他のケーキを食べて美味しいと感じたことは何度もあるけど何かが違うのだ。
ひょっとしたら、僕が感じているのは、味覚や視覚だけでなく、ケーキを作る人の物語りなのかもしれないね。