2023年1月26日木曜日

仕事に潜むゴースト

 ここ3~4回僕は、ペーパードライバーという身近な存在を通して、スキルとか能力といった概念の誤謬とその実態について取り上げてきた、要するに人間に限らず生き物は環境や状況となめらかにカップリングしていくなかで、身体化された経験リソースと記憶された情報リソースを偶有性という脳の働きや遺伝によって先天的に刷り込まれた反応や学習によって後天的に刷り込んだ反応を状況リソースによって引き出し創発することで状況に最も適応した自立行動をその場その場で生成しているのである。

産業組織ではそのような適応的自律行動は、仕事として協働として組織化され、問題を見つけたり解決する生産性を生み出す源泉になっている。

スキルや能力は常に身体化された経験リソース情報リソースの固有性と多様性、さらには、偶有性と学習による自動化並列化の個別性に強く関わっているので、具体的かつ構成主義的にそれらを捉え記述もしくは測定することは不可能でナンセンスなのだ。

しかし、世の中は大アブダクション時代。創発する適応的自立行動や組織活動の結果だけを捉えそこに、共通するスキルや能力や実力(コンピタンス)が存在するように類推する、そう、そこにおばけがいるという感覚といっしょだよね。

人間はおばけがいるという感覚を3歳くらいでみせるらしいこのような神秘性傾向は時に霊感商法という形で社会問題化したりもする人間共通の不思議な感覚だから恥じるようなものでは無い。

でも、ひょっとしたらこの神秘性傾向は人間だけのものじゃないかもしれない、犬と一緒に暮らしているとたまに、誰も居ない場所で物音がしたりすると犬はまるでそこに何かが居るかのように反応し続ける。

恐らく犬の意識にはその時そこに何かが存在するのだ。

こうした傾向は恐らく環境の中で敵から身を護ることに役立つものだ、脳の偶有性が存在しないゴーストを作り出すわけだよね、でもこういった恐怖心が過剰になると、軍備が正当化されたり、戦争が勃発するのだから面白いね~とも言っていられないのだけどね。

幽霊の正体見たり枯れ尾花このことわざの幽霊の本当の姿は、人が宿す恐怖や不安だけど、実は仕事におけるスキルや能力と言うのも全く同じ構造なのである。