2013年7月16日火曜日

「弱い絆の強さ」とコミュニティが栄える真の理由

スタンフォード大学社会学部教授の社会学者であるマーク・グラノヴェッターが説いた「弱い絆の強さ」は、強い絆で結束する組織よりも、弱い絆で結ばれた組織のほうが発展性に富んでいるということに気づいたものです。

これは、情報共有の非効率性にも言及するテーマです。

報告・連絡・相談を略した「ホウレンソウ」とは、そもそも組織活性のメソッドであって、上司が部下をマネジメントするツールではなかったそうですが、実は、情報を共有することはとても大きなコストを発生します。

例えば、プロジェクトの内容をプロジェクトメンバー以外にも共有しようとすると共有のための発信と受信者の人数分の時間を奪うことになります。そして、その情報の密度が濃くなるほど情報共有コストも増えるわけです。

そして、この情報共有の密度こそが、多様な人々の集まりである組織の「絆」の強さ、弱さでもあるわけです。

つまり、組織を内向きに強めることが、外に向かって発展する力を阻害しているのです。

例えば未来工業では「ホウレンソウ」禁止です。「常に考える」価値観を共有する一方で、自主性を重んじる故に、「ホウレンソウ」を禁止しているそうですが、それは、特許庁の意匠登録件数20位という組織の発展性とも決して無関係ではないように思えます。つまり、結果として必要以上に、絆を強めないことで効果を発揮しているとは考えられないでしょうか。

ソーシャルネットワークの研究が進むにつれ、「ストラクチュアル・ホール」とか、「トランザクティブ・メモリー」など、情報の結節点の有効性に注目が集まっています。また、個人の学びにおいても、結節点となる分野の学びが重要だと言われています。

そして、ビッグデータ分析では、アルバート=ラズロ・バラバシが携帯電話の通話記録分析から、コミュニティ内で多くの接点を持つ人間が居なくなるより、コミュニティの外部に接点を持つ人が居なくなるとコミュニティが崩壊したかのように求心力を失うことを発見しています。

組織内のコミュニティ機能が希薄になってきている状況で、職場内のコミュニケーション改善が問われますが、ネットワークの問題として捉えると、内部活性と組織発展という異なった課題の側面が浮かび上がってくるのです。


花は外に開く