2016年1月15日金曜日

建前? 心変わり? 場当たり? 4次元的言動変化の捉え方

「採用選考時は、海外どこでもOKと言っていたのに、入社2年目に海外転勤(アジア)を打診したら断ってきた。」
「御社に決めます、と内定承諾したのにその後に辞退」

時を経て人の考え方が変わることは珍しくありません。

あの時、あー言っていたのに・・・とぼやいても仕方がないこと、と悟ってしまえばそれまでかもしれませんが、すべての仕事は時間とともにあることを考えると、言動の変化を看過することは出来ません。

さて、このような変化がなぜ起きるのか考えてみました。

1.心理学的捉え方
人の「態度」で考えてみます。
「態度」とは「価値信念」「感情」「行動傾向」によって構成されます。
「よい・わるい」「すき・きらい」「する・しない」に分解するのですが、性悪説的な捉え方は、言葉が変わる人は「偽って申告してもよい」という価値信念を持っているという推定になります。

言動が変化する人は、若干の後ろめたさはあっても腹の中と言葉が一致していない腹黒い人です。

また、性善説的に捉えるなら、最初保有していた「態度」が状況や環境の応じて変化したと考えられるでしょう。「学習」の発生です。
実際の海外勤務の厳しさを社内で見聞きする代理体験などからの学びで「態度」が変わることは容易に推察されます。

このように、心理的には「偽装」もしくは「変容」が言動の変化である、と解釈されます。

2.動物行動学的な捉え方
動物の「態度」を人間のように理解することはできませんから、行動を中心にその要因を合理的に考えることとなります。
動物の行動に急激な変化があるのは、何かを認識したときです。例えば、食べ物とか、他の個体や動物との出現時などに観察できます。

その滑らかさや素早さからこうした行動は「認知からの行動」でなく、生存にとって「よいもの・わるいものを見分ける情報を入力するために行動している」と考えられています。

例えば、犬は「匂いを嗅ぐ」→「食べ物の匂いがしたらそちらに行動する」という認知モデルではなく、「食べ物・敵・仲間などを見分ける情報を探すために行動している」となります。確かに、犬の行動の素早さを、認知モデルで説明するのは困難です。

この考え方に基づくと、言動の変化は、より生存にとって安全かつ功利的な望ましい情報を得るために起きていることになります。

人間の場合、複雑な社会性を持っているので人が何を望ましいと見分けているのかは一様ではありませんが、言動の変化は情報を得る日常的行為の一環である、と解釈できます。

常に望ましい情報を探し続けるために言葉を使ったり行動しているのですから言動の変化は当たり前で、前述のような「問題」は組織ニーズと当人にとって欠くことのできない「よいもの・わるいもの」のアンマッチが顕在化したのだと考えられるでしょう。

要は、表面的な言葉(記述含む)に左右され、言動の背景、意識下にあり一貫性をもった個人の「行動原則」(常に何に向かっているのか)が十分理解できていないのです。



個人的には言動の変化を「偽装」、「変容」と捉えるのは批評的、他責的と感じますが、「行動原則」と捉えると、自分の理解は主体的に改善できることなので、後者のほうが「すき」です。


彼の「行動原則」は?