2017年10月23日月曜日

また「かもめ食堂」を観る

僕はあまり日本映画を繰り返し観ることはないのだけど、「かもめ食堂」は好きで何度も観てしまう。

映画の間合いはとても日本的でハリウッドのエンターテーメント作品と全く異なった趣きの、そう、演劇を映画にしたような淡々とした印象だ。

出演者の掛け合いでスーッと場面が流れ、ジョーズの登場みたいな『来るぞ、来るぞ、来るぞ、来たぁ〜』的な過剰な音や音楽の演出もない。

主演は小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさんで、日本の女性が海外で生活しながら食堂を営んで活躍する、まさに、グローバル&女性活躍モデルである。

この3人の個性的な外観と独特なキャラクターは「役」と言うより「素」に近いように思える。

おそらく他の3人、例えば、綾瀬はるかさん、長澤まさみさん、夏帆さん等が主役をやったら全く別の映画になってしまうだろう。

ペルソナでなく、キャラが良い映画の典型かもしれないね。

さて、「かもめ食堂」の良さは、異質性と現場感にある。

見た目も精神性も極めて日本的な3人の女性が外国で活き活きと、そしてしなやかに生きている。

よく考えるとかなり異質な状況だけどフィンランドの民族性と日本の民族性が良いバランスで配合されていて、日常をしっかりと観察した上で描写していることが伺える。

過剰でなく淡々と、ペルソナでなくキャラで活躍する女性、民族性の対峙とほどよい混ぜ合わせの描写。

フィクションの世界とは言えなんだか示唆深い映画なのだ。


かもめ