私たちが行っている仕事とは、単純な行為行動を組み合わせて複雑なアウトプットを生成することである。例えば、歩いて駅に行き電車に乗って、オフィスに着いて、座席に座って、パソコンの電源を入れ、ネットワークにログインして、始業の登録をしてから、届いているメールを確認し・・・などなど。単純なタスクを組み合わせて、アウトプットを生成する。他者との協働はさらに複雑な行動のコレクションから生成される。このように層別可能な行動をコレクション化して、高次の目的を達成する仕組みを包摂アーキテクチュアと呼ぶ、筆者がかつて大企業で職務分析を行ったところ最終的には部門と職位によって異なる2つの包摂が確認できた。1つは、変化⇔安定の包摂、もう1つは顧客⇔組織の包摂である、この2つの包摂を組み合わせればどのような会社であれその組織の仕事は全て表現できるのだ。この2つの包摂には様々な行動のコレクションが階層化されている。上位の包摂アーキテクチュアの下位には小さな包摂アーキテクチュアがコレクションされているのだ、この下位の包摂アーキテクチュアはよりシンプルな行動に近くなるので、特性(得手不得手)とスキル(上手下手)という個性が強く影響することになる。
特性とは習慣により獲得される無意識の自動適応である、スキルとは経験により獲得される目的達成の最適手順と並列化で、文脈が同じであればいずれも再現性が高い。しかし、職場が変われば文脈は変わるので、基本的に再現性は無くなる。ポータブルスキルなんていうものは虚構なのである。唯一、経験からスキルを獲得する学習スキルのみは異なる文脈下でも、再現性が高い、また、新たな習慣の形成(古い習慣の棄却と新しい習慣の定着)と言う特性も再現性が高い(これは場に馴染めるという特性だ)上位の包摂アーキテクチュアに有利な個性があるとしたらそれは、それは新たな習慣の形成を通じて自分を刷新して場に馴染むことが出来る特性と経験からスキルを獲得する学習スキルである。
