2022年1月24日月曜日

人生も仕事も借り物競争

 熟達化研究の小樽商科大学大学院 松尾睦さんは仕事に対する信念(価値観)を新人時代は上司先輩などの信念の影響を受ける借り物の信念であると表現している。僕は借り物であってもそれによって行動がかわるものであればそこには学習が発生しているのではないかと考えている借り物と言えば小学校の運動会の定番借り物競争だよね。指定された物品や人を探し出していち早くゴールまで運べば勝ちというやつである。速さだけを競う普通の徒競走と違うのは自分の能力だけでない何ものかを帯同することである。よく考えてみたら僕たちの日常は借り物に溢れている。私有している所有物は借り物じゃないけど。本来の自分が生み出したものでは無いものと考えれば借り物とも言える衣食職住全て自給自足の7自前で行っている人など居たとしても極めて少数だと思われるので借り物が溢れているとひょうげんしたのだ、洋服にしても機材にしても着こなしたり、使いこなす過程を経てじぶんのものになっていくわけだけど仕事の熟達における信念も同じようなことかもしれない。最初は他者の信念を纏ってしかし時間とともにそれを着こなして自分の服になっていく。やがてはその服を誰かに貸せるようになるわけだね。逆説的になるけど借り物をする主体自分がそこにはなくてはならない。洋服が自律的に社会生活をおくるようになりわけではないからだこれはAIの議論とも通じるものだろう。昨日取り上げた大谷翔平選手も父親透さん。佐々木監督の信念を纏いそれを自身の一部としていったわけだけど。」ベースには無垢の大谷翔平がいる。これが真の自己という概念だけど。真の自己は様々な信念を纏いながら更新されていくものである。素晴らしい肉体があればこそ素晴らしいい洋服が似合うわけで素晴らしい洋服を着る他事で肉体にさらに磨きがかかる、そういう相互作用によって、信念と主体はコヒーレントに向上、成長していくものなのであろう。では、そもそも無垢な主体には信念は無いのだろうか、僕はそんなことは無いと思う。本能や感性といったものが生まれた時からその人の信念として働いているのではないだろうか。何を信じるかに正解は無いじぶんにとっての正解を与えるのが当初は本能や感性なのである。そこに、借り物の信念を纏うことで借り物の信念に沿って正解をみちびけるようになり、その正解によって、一貫性がある行動がとられて祖母人らしさが生まれるわけだね。無垢な主体が保持する信念的なものを気質と呼んだりもする。その気質に高質な借り物の信念を纏った時に素晴しい化学反応が起こるのである。心理学クロニンジャーは気質は神経伝達物質の分泌と代謝によって先天的に定まるとしたけど。それが本当かどうかはわからない。還元主義的に、少ない要素で理解できるほど人間は単純じゃないとても複雑な存在だ。しかし、世の中に物質や情報があふれるようになって借り物競争の様相は一変した誰もが超一流の信念を書籍を通して借りられるようになったし、素晴らしい信念を持つ人と出会う機会も増えている無垢な主体でる自分を探すより、良い借り物を纏って、自分の信念をアップデートしていった方がよいこれは養老孟司  さんが著作「自分の壁」の中でのべていることである。そして好奇心の強さは借り物競争で勝つための優位なせんりゃくなのだ。フォークランド諸島のゼェンツーペンギンはその好奇心の強さで生存競争を有利にしているらしい。つまり好奇心は可能性の扉を開く力があるということだ。世の中ではシェアリングエコノミーにも広く関心が高まっているけど僕は物品や資源ではなく無垢な主体をアップデートする信念こそシェアすべきなのではないかと考えている



無垢な主体