2013年5月17日金曜日

記憶と視点の転換 

私は、「記憶する」ことが得意なほうではではありません。正確にいうと一字一句覚えるのが苦手です。大雑把と言いましょうか、物を覚えるときはざっくりとポイントを押さえているようです。TODOやスケジュールは不思議なくらい覚えているのですが、さらに行く場所の記憶にまでなるとかなり怪しくなってきます。

ところで、日本人学生のデータからは記憶力が全般的に高く、一方、視点を転換する力は低い傾向が認められます。これは、ひょっとしたら、学校教育のスタイルによる影響性があるのかもしれません。思い込みかもしれないので、これ以上の言及は避けますが、「記憶すること」と「視点をかえること」のどちらがこれから大切になっていくのか、考えてみます。

これは、限られた脳という資源をどのように使えば良いかという問いの裏返しでもあります。

人間の脳は、我々が居るこの地球という星の大きさと比べると、とても小さいものです。ところが、その小さい脳が、地球をこえ、太陽系やその外側までも、また、一方では、とても認知出来ないミクロの世界をも理解しようとしています。そしてそれらを認知するために画像や映像や記述や模型などを脳の内側ではなく、外側に情報を置いて活かしています。

これまでは、外側におくことが出来る情報の量や質が限られていました。故に、内側に溜められた情報の量の多さや、質の高さとそれを引き出す力が優秀さを評価する基準だったのだと思います。「記憶すること」とは、内側の情報を引き出すことです。
今日では、外側の情報が誰にとっても飛躍的に増えています。それは、情報を溜める方法と引き出す方法の共進化によるもので、電車待ちのホームで8割くらいの人がスマホを弄っているとき、その指先から全世界の膨大な情報が繋がっている事実には驚きを覚えます。

インターネット上の膨大な情報が記憶すべき情報でないことは最初からわかっていたので、ブックマークや検索など情報を整理していつでも引き出せる機能が進化しました。
そしてフェースブックの「いいね」は友達の脳が整理した情報を引き出す仕組みです。これまで、他者が整理した情報を引き出す仕組みが書籍だったのですが、今は「編集」という作業なしに情報が引き出される状況になったのです。
寝ている間に、脳はその日にインプットした情報を整理、再構築しているそうですが、それに近い機能が、ネットワーク上で実現しているとしたら、すでに、どこまでが自分の脳なのかわからない状態ですね。

このように考えると外側で「記憶」はどんどん増えていき、その情報を引き出す仕組みが進化しているおり、人間にはその状況と共進化することが求められています。
そして、その共進化の実態が「視点をかえること」だと考えます。
統計学では、情報が増えると多変量解析が行われるようになります。これは、情報を縮約して新たな視点を据える手法ですが、日々の生活の中で、じつはこのような「視点をかえる」必然性が増してると感じています。

(これまで)
自分の脳に情報を溜め、上手に引き出し、縮約して行為を創発する。
    +
(いま)
自分が内側から外側にどんどん広がっている
    =
(いまから)
外側に勝手に溜まっていく情報を、内(自分)と外(検索、友達、キュレーターなどなど)の連携で上手に引き出し、内側で縮約して優れた行為を創発する




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