さて、学問的な議論ではありませんが、細かいことは気にせずに、ざっくりと捉えると、組織を構成する人材には3つのパターンがあると考えています。「細かいことは気にせず」というのは、「適当に考えた」ということではなく、統計処理によって、情報を縮約して作った仮説であるということです。
その仮説とは
1.人は、効力感と情動性の視点で組織に与える影響性において、「展ばす」「整える」「ゆらぎを与える」3つのパターンに分けられる
2.「ゆらぎを与える」は更に2つのパターンに分けられる
3.この3つのパターンの組み合わせは組織行動の創発に少なからず影響性を持っている
というものです。
まず、それぞれのパターンの説明ですが、
「展ばす」パターンは、効力感が高く、情動性が低い組み合わせです。
「整える」パターンは、効力感が低く、情動性が高い組み合わせです。
「ゆらぎを与える」パターンは、効力感が高く、情動性も高い組み合わせと、効力感が極めて低く、情動性が極めて高い組み合わせです。
「展ばす」パターンが創発する組織行動は、周囲を巻き込みながら拡大していこうとする言動です。成長段階の企業や、ビジネスモデルや商材が固まっていてマーケットシェアを拡大していこうとする企業でこのパターンの人材が多いことが確認されています。
「整える」パターンが創発する組織行動は、無駄を無くし、効率化をすすめる言動です。飛躍をせず、堅実に仕事を行うことに向いています。業績を重ね、最適化が進んでいる企業で多いです。以前、バブル経済が崩壊する前後で、不動産投資をやっていなかった銀行の評価が180度変わったことがありましたが、このパターンが多い堅実な組織は、大きな災害のとき、生き延びる確率が高そうです。
「ゆらぎを与える」パターンが創発する行動は、前向きだけど気分で変わったりぶしつけな印象を与える言動や、どうして?って言うくらいネガティブな言動です。簡単に言ってしまえば、組織を混乱させます。協調が難しく、逆にそれが組織の脱予定調和の力となります。
さて、まずは、このパターンが3つあることがキーだと考えています。
これは、以前にも取り上げましたが、池上高志さんが述べられている「3つ以上の互いに素な周期運動があるとカオスに移行しやすい」ことにヒントを得ています。組織が創造的な振る舞いをするためには3つのパターンに何らかの相互影響性がありそうです。
そして、これらのパターンは個人においても、その集まりである組織においても固定ではなく、中央値や最頻値を持ちながら「なめらかに」行き来するものと考えています。
この、組織行動の創発にとって、3つのパターンの組み合わせとともに、とても重要なのが「学習」です。行動の創発とは、つきつめれば応答的反応ですが、人間は応答すべき足場を自ら構築します。「学習」という足場作りによって、創発する行動を可塑的に変えることが出来るのです。この足場が飛躍的であるほど、大きな変化が予感できそうです。
組織行動における人のパターンと学習の重要性について、少し考えが整理できました。
戦略の多様性が種の強さ、ではあります
