夏の暑さが遠い昔のように感じる今日この頃の寒さです。紅葉も盛りを超えて落ち葉が青空に舞います。
このように、冬になると多くの木が、葉を落とす冬支度をするなかで、生き生きとした緑を纏う「松栢」の様を人に例えたのが文頭の一節です。「松」はわかり易いですが、「栢」は「かしわ」ですので落葉樹です。しかし、「松栢」と言ったときの「栢」はヒノキなどの常緑樹のことを指していますからいづれも冬でも緑なのです。
さて、どのような人が例えられたのか、というと春夏秋のような良い環境ではない、厳しい環境のもとでいきいきとしている人を例えています。
意訳すると
「人も危難のときにはじめて真価が分かる」
ということだそうです。
確かに、物事が順調に進んでいるときは、その人の力なのか、環境や運が良かったからなのかわかりにくい面があります。それに対して、苦境に陥ったとき、また、その苦境を乗り越えたときは、その人が何を考え、どう行動したのかが良くわかります。
例えば、NASAやJAXAで行われている宇宙飛行士の選抜テストでは、「一日で子供が喜ぶおもちゃを作る」という課題を出し、ほぼ出来上がってきて、あと1時間で終了という段階で「こんなおもちゃじゃ子供は喜ばない!」とダメだしをするそうです。課題に関する記憶はちょっと曖昧なのですが、「ちゃぶ台返し」をすることで、ピンチに陥った状況からどう、立て直すかを見て、その人の力を測っていると言われています。
これまでの仕事経験を通じても、確かに、ピンチのときに見せる行動が人に対する信頼を形成していることが思い起こされました。
一方、ピンチになりそうだな、と思ったらさっさと離れていく人ほど信頼のおけない人はいないでしょう。もちろん、自分の過去も内省の対象です。
『歳寒、然後知松栢之後彫也』
年の瀬の寒い日には、必ず思い出してみようと思います。
冬に真価を学ぶ