成果志向であれば、いかに目標を達成するか、というデザインが必要になります。それは、機能性と効果性の高い施策を意味します。
ビジョン志向であれば、ビジョンの浸透とビジョンを体現する行動の自律的創発をデザインする必要があります。
成果志向においては、目標実現にむけて手順が具体的になっている必要があります。一方で目標達成を阻害する要因は排除する対象です。適材適所の実現と不適応者への施策が中心です。たとえば、降格人事。組織の目標に向かってマネジメントが出来ないマネジャーが主にその対象となります。マネジメントは組織風土を決定づける大きな要因の一つだからです。
一方、ビジョン志向においては、コミュニケーション、対話、内省、実践の連鎖を通じ、経験から学ぶプロセスが大切になります。また、組織内の人の学びの速度は一様でなく、自律的に創発する行動も多様ですから、プロセス自体の偶有性が高く、適応力が求められます。マネジャーにはファシリテートと自ら学ぶ姿勢が必要です。
成果志向とビジョン志向を統合することは可能なのでしょうか。
目標を実現するためには論理的に現状を構造化し、その構造の中から課題を見つけて改善するための具体的な手立て策定しますので、その施策のなかにビジョン志向的なプロセスを組み込むことは可能です。但し、ビジョン志向的なプロセスは課題を改善出来ない可能性がかなりあることを理解しておく必要がありますし、目標を達成出来なかった場合はプロセスの問題です。
ビジョン志向のプロセスにおいて、成果志向的プロセスを組み入れいることも可能です。それは、プロセスに一定のリズムを生む効果がありますが、そのリズムが慣性軌道となってしまうと学を失い、プロセスにとって逆効果となります。
それらを考えると、どうやら2つの志向性を統合することには注意が必要です。
ところが、多くの組織では、ミッション達成と育成という名目でごく当たり前にこの2つが並走しています。それは、今を生きることと未来を想うことの再帰性によるものでしょう。
現場を良くするデザインのキーワードは「再帰性」であり、要はマネジメントのデザインであると考えます。
マネジャーは二頭を操る