2021年5月26日水曜日

「あるべき」で周回遅れになっていく日本

 僕は戦後生まれなので、戦争に負けたときの体験は無い。

僕が聞き及んだ限りでは、米国とは物資の豊富さとレーダーなど先端技術で国力の差が大きかったように感じられる。

日本は明治維新の際、国を挙げて富国強兵に取り組んだけれども結果として西欧の列強に追いつけなかったのかもしれないね。

戦後、日本ではソニーやホンダなど世界に誇れる企業が成長し、数多くのノーベル賞学者も輩出するに至ったけれども今回の新型コロナウイルスへの対応を見ていると、やはりいまだ諸国の先頭には立てていないようだ。

というより、相変わらずの周回遅れである。

そこから生まれる2つの問いは、

  1. なぜ周回遅れなのか
  2. どうすれば挽回できるのか
だ。

さて、情報のオープン化、グローバル化が進展している現在、周回遅れの主因は情報インフラ、箱物ではなさそうだ。

となると、遅れの主因は情報インフラのトラックを走るランナーである。

スウェーデンでは2011年からキャッシュレス化が一気に進み、経済に良い影響を与えていることもすでに確認されている。

スウェーデンの取り組みから現物貨幣は経済にブレーキを掛けることが明らかなのに、日本でキャッシュレス化の議論が進んだのは新型コロナウイルスの影響を受けてからだ。

そして日本では、キャッシュレス決済を行う多くの中国人旅行客を見ながら、中国でキャッシュレス化が一気に普及したのは紙幣の偽造や流通の問題があったからと多くの人が考えていたのではないだろうか。

いずれにしてもキャッシュレス化では諸外国に比べて江戸時代みたいな状況なのかもしれないけど、これは情報インフラの問題ではないよね。

先頭を走るよりも堅実で慣れた方法の「あるべき」に拘る、それが周回遅れの原因だろう。



僕が思うに組織運営でも同じだ。

例えば、働く場所の理論、ABW(アクティブベースドワーキング)では、個人の生産性が上がるテレワークから創造性において対面でのミーティングが重要であることに議論の中心が移っているけど、新型コロナで仕方なくテレワークをしている日本が「やはり仕事は会社だ」と勘違いしてはいけないのだ。

「あるべき」に拘って周回遅れを招いていながら、生産性が低いと社会や組織の構成員を評価して個人の責任に転嫁する、これが周回遅れの本質でありそれを主導している人たちが社会や組織の中核に居座る限り、僕たちの国や会社が周回遅れを脱して世界の先頭には追いつき追い越すことはないのかもしれないね。


あるべき今夜の月