2023年12月19日火曜日

苦労とを買う、過保護に育てる?困難に向き合うために必要な事、良い組織悪い組織の境い目

困難を乗り越えるとは認知科学的に見れば、困難と言う状況のリソースを活用した認知的変化(乗り越える前後で変容が見られる学習行為である、故に、心理的には、学習目標志向性が高い人には学習の機会である。また、遂行目標志向性の高い人には、自分を誇示できる機会となる。それらの志向性が高い人にとってみれば苦労は買ってでもするものということになるらしい。しかし、苦労の中にある困難はそうとも言えないかもしれない、困難を乗り越えるには、効力感を伴う自己肯定感、社会性、ソーシャルサポートが必要であり、経験によるメタ認知リソースと状況のリソースが欠かせない以下の論文ではそれを個人の特性と状況の特性と表現している苦労と両特性の間の関係を研究したもので、結論は冒頭の志向性のように人それぞれであるというものであった。苦労を課題ストレッサーと定義している。

Challenging or hindering? The roles of goal orientation and cognitive appraisal in stressor-performance relationshipsMa et al. (2021)

論文要旨のgoogle翻訳は以下のようになる。

ストレスのトランザクションは、ストレスの多い状況の特性と個人の特性に影響されます。多くの研究は、仕事のパフォーマンスに対する挑戦と阻害のストレッサーの異なる影響に焦点を当ててきましたが、ストレス取引の中心的な要素であるストレッサーの認知的評価における個人差を調査した研究はほとんどありません。したがって、本研究では、従業員の目標指向(学習、業績証明、業績回避目標指向)がストレッサーと評価の関係に及ぼす緩和効果を検証し、目標指向が評価を介してストレス因子と仕事のパフォーマンスとの間接的な関係をさらに緩和するかどうかをテストした。私たちは仮説モデルを個人レベルと個人レベルの両方でテストし、複数ソースのデータを使用した 2 つの研究にわたって収束した結果を得ました。目標指向は、ストレッサーと評価の関係の重要な境界条件であることが判明しました。具体的には、学習目標指向とパフォーマンス証明目標指向によって、課題ストレッサーと課題評価の関係が強化されました。阻害要因と阻害要因の評価の関係は、パフォーマンス証明目標指向とパフォーマンス回避目標指向によって強化されましたが、学習目標指向によって弱められました。これに基づいて、従業員の目標指向は、評価を通じてストレス要因と仕事のパフォーマンス/仕事の積極性との間の間接的な関係も緩和します。理論的な貢献と実際的な意味について説明します。

Ma, J., Peng, Y., & Wu, B. (2021). Challenging or hindering? The roles of goal orientation and cognitive appraisal in stressor‐performance relationships. Journal of Organizational Behavior, 42, 388-406.

最近知られているのは、苦労の少ない職場は成長できないぬるい職場であるとして、転職する新入社員が居る事である。職場ストレスのうち、なにが課題ストレスで何がそれ以外なのかは受け手の感じ方次第なので、当人以外が判断するのが難しい、勢い、過剰に安全な状況過保護になってしまうと志の高い新入社員は辞めてしまうということなのかもしれないここらへんの匙加減がどうやら良い組織と悪い組織の境い目らしい。


決して買ってはいけない苦労もある。