2014年3月14日金曜日

ストーリーと統計の違い

「ストーリーとしての競争戦略」の著者である一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏は、ストーリーは順列であると述べています。「あれと、これと、それ」ではなく「ああして、こうして、そうする」ということだと思います。

前者の考え方は統計的です。Aが起こる確率は○%でBが起こる確率は○%だからAとBを行うと○%であるとい考え方はもっともらしさを表現するにはわかり易いアプローチです。数値が大きい、もしくは小さいということが判断の基準になるので、誰から見ても同じ理解を得やすいのです。

このアプローチは、多様な民族によって社会が構築されている欧米においては一般的です。

それに対して後者では、例えば3つの順列をそれぞれ2つの要素から作ると2の3乗で8通りの中からどれを選ぶかというアプローチになります。「なぜ、この1つを選んだのか」という唯一無二のプロセスがどれだけ共感を生めるのかに掛かってくるのです。

共感作りをテーマとするこのアプローチは、多様でない民族によって社会が構成され、多くの前提が共有されている日本において好まれ易いものです。
また、楠木教授の「ストーリー=空間的広がり+時間的奥行き」という定義は、禅的な世界観にも近しく、その観点からも日本的であると言えるでしょう。

この2つを比べると統計的なアプローチは、議論を収束させるときに便利で、ストーリー的なアプローチはその人ならではの決断と共鳴するのに便利であることがわかります。

これらのアプローチを場面によって使い分けられると効果的なのでしょうが、私たちが何かを判断する時に選好しているアプローチは、気づかないところで生育的、社会的影響を大きく受けているのでしょう。


ここに神社がある確率か、なぜここに神社があるのかというストーリーか
お好きなのはどっち?