確かに、人は生まれた境遇によって人生に影響を受けます。そして自分の人生に不満を持ったとき、その理由を環境のせいにすることは決して珍しいことではありません。
もう少し人の本質で考えると、人には他者から承認されたいという欲求があるといわれます。マズローの欲求五段階説の上位から2つ目の欲求です。また、他者とともにありたいという親和欲求もあると言われますから、疎外されていると感じることは誰にでもある自然な感覚です。
ところで、私たちが日常生活をなめらかに行ううえで周囲の人や物に多く依存しています。依存先が多くなると選択と自立の意識や効力感、統制感が芽生えるのは皮肉な話です。
私たちは、自ら生きているとともに環境から生かされている存在でもあると言えるのです。ところが、承認されたいという意識には「周囲は自分を認めるもの」であるという前提があって、環境から生かされているという認識ではありません。そこにあるのは「感謝」の欠損です。
例えば、道路はどうでしょうか。快適に歩いたり自転車に乗ったりできるのは道路があるからです。しかし、そのことを忘れて「道が狭い」「舗装がわるい」などと非難するのは自己中心的な言動です。
同様に、日頃、社会で生きているのに自分が社会から承認されていないと感じるのは周囲でなく、実は自分の問題だと考えるべきでしょう。
日本もそうですが、個人のレベルからはじまり、国家、国際社会においても、他者や社会、他国を非難する前に自分が周囲に依存しているのか、恩恵を受けているのか、今一度、理解する必要がありそうです。
仕事のお供♪