2014年4月24日木曜日

会社員のメンタル問題を考える

もうすぐ5月、そして5月病の季節です。

さて、5月病に限らず、会社員のメンタル問題は、当人はもちろん、周囲に対する影響も大きく看過できる問題ではありません。

ここではばっくりと、「メンタル問題」として取り上げていますが、実際はもっと複雑で私は以下のように分類しています。

1.ストレス耐性の弱さ
2.疾患系
3.社会性の低さ

ストレス耐性の弱さは、常にストレッサーとの関係で語られるものです。ですから、単純に当人の耐性だけの問題ではなく、職場環境が大きく影響してきます。個人の側からはストレスコーピング(ストレッサーへの対処法)やレジリエンス(精神的な回復力)や鈍感力(ストレスへの耐性)といった観点、組織の側からはマネジメント、コミュニケーション、リレーションを通じた取り組みが効果的です。

疾患系は、環境的要因の影響性が少なく、より個人の資質的要因が大きく影響しています。代表的な精神疾患である統合失調、気分(感情)障害(うつ病、双極性障害など)、神経症性障害(不安症など)、生理的障害(摂食障害、睡眠障害など)、成人のパーソナリティ障害(非社会性、情緒不安など)など、ストレッサーに拠らない個人要因として保有する精神疾患傾向が思春期に表出するものもあり、社会人になる前から通院されている人も多いようです。疾病によっては効果的な治療法もあるようなので早期の治療が大切と聞いています。

社会性の低さは、疾病系に含まれてしまう部分もあって区分けは難しいのですが、人材マネジメントの観点からは
一見、何ら問題が無さそうに見えるのに
①組織社会化(組織に適応するプロセス)が進まない、組織に馴染めない
②上司や周囲からの指導や働きかけに効果が見られない
③こだわりや執着が強すぎて円滑に業務が遂行できない、思い込みが強すぎて要点を外す
④自分の正義を翳してルールに反抗する
⑤そもそもの認知に誤りがある
⑥やると言ったのにやらない、口先だけで行動が伴わない
⑦他人任せで問題意識、課題解決の意識がない
⑧気分で態度が豹変する
といった傾向が認められ、安定した社会的な関係の構築に難がある
ことを指しています。
社会的スキルの習得が困難であり、「学習困難者」と考えることも出来ます。学習障害の8つの特徴である「話すこと、書くこと、読むこと、計算、推論、運動動作、行動調整、対人関係」の難しさをクリアしたうえで出現する「社会的スキルでの学習困難」は、動作レベルよりもより高次な能力における困難さであると言えるでしょう。

昨今議論が盛んなダイバーシティ(多様性)という観点からも、メンタル問題を排斥する方向で考えることは望ましいとは思えません。しかしながら、一方で組織活動が組織目標という高い「山頂」を目指す山登りであることを考えると、正解の無い「裁き」を行わなければならないのも事実です。また、人は常に場(環境)とカップリングして行為を創発していますから、上記のいずれの分類においても、その場に居て初めて「問題」が生じることも問題への取り組みを難しくしています。

組織を「身の置き所ではなく、行動する場所である」と考えれば、仕事とストレス耐性、疾患系、社会性の低さの関係性が指標として開示される必要があると思いますが、社会の一部として捉えると、上手な分担の仕方が重要です。


若くして亡くなった私の兄は知的障害があり、自立を目指して就職したものの、本人も家族もそして、受け入れた職場の方々にも多くの困難がありました。その姿を思い起こすに、これら正解の無い問題とは、常に目を反らさず常に向き合い困難さを不快と捉えずに意味付けしつづけていこうと思います。


意味を問うこと