2015年4月14日火曜日

採用人材像がフィットしない理由とは

”こんな人材が欲しい”

人材採用を行う者には必ずこの人材に関するニーズがあります。

そこで人材像を言語によって定義し、採用可否の見極めを行うのですが、実際の採用活動の中で定義された人材像にフィットする人とはなかなか出会えません。

この状態はミスマッチと呼ばれます。

では、なぜミスマッチが起こるのでしょうか。

その前に、人材像についてもう少し掘り下げる必要があります。

人材像に関しては、経歴、経験、スキルといった具体的にこれまでの蓄積に関して描かれるものと、性格、潜在能力、動機、意欲といった抽象的ながら将来の活動を予感し描かれるものがあります。

前者におけるミスマッチは、主に需給バランスに拠ります。

一方、後者におけるミスマッチは、言語化の難しさと人を認知するプロセスのバイアス(偏り)が大きく関わっています。

言語化の難しさは、言語としてのわかりやすい表現は、偶有性があり環境と一体化しホリスティックな存在である「人」との間にある多くの情報を縮約によって消失させることです。

「仕事のできるやつ」「元気のいいやつ」

このような言語から具体的な見極めを行うことは困難です。

「社長が好む人材」といった言語も同様です。

認知バイアスでは、自分に似ている人に持つ親近感、もしくは正反対の人に持つ好奇心など無意識の見極め(第一印象)やハロー効果、近接効果など判断にポジ・ネガな動機を形成する心理特性が、人材の見極めにズレを生み、のちに「あれ?」となるのです。

こうして言語から定義した人材と実際に見極めた人材の間に生じるミスマッチは解消されることはありません。

もやもやしながら向き合っていくしかないのです。

しかし、ミスマッチの幅を狭めることは可能です。

その方法のひとつは見極めに関するリフレクションを行うことです。

見極めの際に使った人材を語る言語と見極めた後に語られる人材を評価する言語のギャップから見えてくる本質を意味化することで次の見極めの選択肢が広がります。

企業において採用と育成が分断するとこのリフレクションは行えません。これは仕組みとしてとても重大な欠陥があると言っても過言ではないでしょう。

また、採用と育成を連動させるといっても、オートメーション化したのは意味がありません。必要なのは、採用、育成という行為の連鎖ではなく、それぞれの行為の本質から見えるギャップを意味化しフィードバックして行為の本質を変化させることだからです。


人も像もぶれる