自らの異動を宣言する制度です。
当然、制度の狙いとは別の問題が発生します。
まず、逃避型申告です。
今の職場が嫌なので別天地を求めて申告するケースです。
このような申告を人事はすんなりと受け入れることは出来ませんから見極めが必要になります。
次に、憧れ型申告です。
入社以降、ずっと営業担当だけど、商品企画は何だか華やかで花形っぽく見えるから異動を申告するといったケースです。
これは受け入れいる部門にとって結構困る話です。仕事の本質ではなく、イメージで配属されてしまうと、実際の仕事の大変さや仕事のミスマッチでどんどん元気を無くしていくからです。
そもそも自己申告制度は、意欲やモラル、やる気を喚起するための制度ですが、キャリアのビジョンが無い状態でおこなうと逆の効果となりかねません。
そして策略型申告があります。
部門の優秀人材を流失させたくない部門長が人材を囲い込み、異動による人材開発を妨げることは珍しくありません。人事の打診に対して、様々な理由をつけてNoと言い張ります。
そこで、人事がこっそり煽って本人に申告させるケースです。
多くの自己申告制度は、前述の囲い込みを避ける目的で、部門長を経ず利用できるように設計されていますから、それを逆手に取って申告制度を活用するのです。
これら、逃避型、憧れ型、策略型以外の自己申告が、挑戦型申告ということになります。
充実した日々の快適ゾーンから、ストレッチゾーンへの壁を越える決意と覚悟による申告です。制度の主旨にあたる申告ですが、この際、充実しているか否かに関しては周囲の評判も気になるところです。
また、充実度合いと仕事へのコミットメントは相関しますから、コミットメントを棄却することにも強い抵抗感が生まれることでしょう。
本当はコミットメントの強い人にこそ、これまでの仕事を棄却して新たな仕事から学んで欲しいというジレンマが内在している制度であることは見落せません。
その上、さらに成長や向上の欲求が強くなるともはや組織に留まることなく仕事を棄却し、学びますから、挑戦型申告は微妙なバランスで成立していると考えられます。
どうやら自己申告制度の設計と実践のギャップは避け難いようです。
ハナスジが通ったハナミズキ
