2015年5月16日土曜日

キャッシュレス社会が複雑さを促進する理由とは

クレジットカードや電子マネーなど、現金を持ち歩かなくても不便さを感じない社会になりました。

つい、カードを使いすぎて支払いの時が大変、ということもあるのですが購買履歴が残ることは便利です。

現金であれば、レシートや領収書が無いと購買の証明が困難ですが、カードであればレシートを捨ててしまっても、本人がいつ、何を買ったのかはっきりとわかります。

購買履歴は、販売店だけでなく、購入者にとっても大切な情報です。

貨幣の本質は「欲望の二重の一致」の困難を解決するもの(Jevous. 1875)とされますが、キャッシュレス化は機会損失(持ち合わせが無い)を低減するだけでなく、社会的な関係性の表出や再構築を促していることは疑いようがありません。

貨幣が持つ交換の手段としての役割でなく、その本質にある社会的な関係性を創発する仕組みとしての役割がキャッシュレス化によって強まるのではないでしょうか。

このように表面を覆う象徴を取り除くと、その本質がより強く現れる例は、貨幣だけではありません。SNSもそれまでの社会の表層にあった固定的な立場を取り除きその背景にある社会の本質に目を向けさせます。

見えている象徴(記号)があまりにも強いと本質が見えなくなる、とも言えるでしょう。

本質への旅は、物事に付いている記号を消すことからはじまるのです。


記号を消すこと