さて、フィードバックとは現在の進行状況が目標に向かっているか、外れているかいうことを示して、人がゴールに到達できるよう助けるための情報により、他者を支援する行動です。
では、支援とは具体的にどうすれば良いのでしょいか。?
以前も取り上げていますが、支援関係における7つの原則(「人を助けるとはどういうことか」エドガー・H・シャイン著 金井真弓訳)が以下のように提示されています。
1.与える側も受け入れる側も用意ができているとき、効果的な支援が生じる
2.支援関係が公平なものだと見なされたとき、効果的な支援が生まれる
3.支援者が適切な支援の役割を果たしているとき、支援は効果的に行われる
4.あなたの言動すべてが、人間関係の将来を決定づける介入である
5.効果的な支援は純粋な問いかけとともに始まる
6.問題を抱えている当事者はクライアントである
7.すべての答を得ることはできない
特に私たちは、フィードバックを提供する際、目の前の問題に集中し過ぎ、解決を急ぐあまり、相手の感情を忘れてしまうことがあるので次の点に留意する必要があります。
◯自尊心を維持し強化する
人は、自分の意見やアイデアが重視され、自分が大切で尊重されていることを望んでいます。フィードバックに際しては、相手の自尊心を尊重するようにして、仕事そのものに焦点を当てたフィードバックをするようにしましょう。
7つの原則の1、2に該当します。
◯ペーシングしながら、傾聴し、事実に基づいて話す
相手の非言語表現に注意を払いペーシングしながら(合わせながら)、傾聴し、答えることにより、あなたが理解していることを表わします。
また、事実に基づいて話すことは、オープンで双方向なコミュニケーションのベースです。
傾聴は以下の
・聞く姿勢になる (70%は非言語コミュニケーションで伝わる)
・ペーシング 相手の非言語表現に注意を払い、非言語表現で相手に合わせる。
例)身を乗り出す、うなずく、目を見る
・受けとめて聞く
・話をさえぎらないで聞く
・先入観を持たないで聞く
・話の内容を評価しないで聞く
・アドバイスせずに聞く
・相手の話の流れに沿って聞く
・課題を共有する意識を持って聞く (「同じ船」)
・深く聞く (それで? それから? それについてもっと聞かせて欲しい、等)
・自分の理解を確認する (相手の話を自分の言葉で言い直す)
7つの原則の3、4に該当します。
◯効果的に問う
以下が効果的な問いの例です。
・ オープンエンドの質問(vs クローズ形式) → 相手に考えさせる/言わせる
例)どんなことをすれば、うまくいくと思いますか?
vs そうやれば、うまくいくと思いますか?(注:確認には使っても良い)
・ 焦点や範囲を絞っていく → 深堀りしていく
例)うまくいかないとは、何がうまくいかないのですか? それでは、「時間が無い」、という点に絞って、問題を整理してくれますか?
・可能性をもう一歩広げる
例)他に考えられる原因は何でしょうか? もしその規制が無かったら、どんなオプションが考えられますか?
・パフォーマンスやオプションを評価する
例)5段階で言うと、今は(又は、そのオプションは)何番目の段階ですか?
注意したいWHY系の質問(相手の弁護発言につながり、心を閉ざす危険性)
例)どうして、できないのですか? 何故、やらないのですか?
VS. できない理由は何ですか? VS. やらない場合、どんな結果になりますか?
7つの原則の5に該当します。
◯協力を求め、自主的な行動を促す
その人の経験や専門知識を認めた上で協力を求めるとき、人は自主的な行動をとります。実際に行動を起こすのは、その人なのです。
7つの原則の6に該当します。
◯30分以内を目安におこなう
大人が集中できる時間は20分程度と言われています。集中力が下がった状態や思考や感情が混乱した状態でフィードバックを行っても効果が上がりません。
フィードバックしたいことは山程あったとしても、ポイントを絞って短時間で的確に行うことを心掛けます。30分以上掛かっているときは、何かが上手く行っていません。
7つの原則の7に該当します。
☓まったくダメなケース
話を聞かず頭ごなしに日頃の行いを批判し、なぜできないのか詰問のうえ仕事だからやって当たり前というスタンスで1時間以上もあれやこれや言い続ける。
これはフィードバックという支援行為ではなく、単なる上司の憂さ晴らし、八つ当たり、威嚇でしかありません。しかし、創作ではなく、実際に1対1で半日言い続けている人が居た実話です。
フィードバックを与える人はしっかりと原則と方法を身につける必要があります。
信玄アイス
