2022年9月26日月曜日

20年に及ぶ人と組織のコンサルから見えた組織の未来を創る新しい価値を生み出す唯一の方法とは

 僕は20年に渡って本当に色々な企業の人と組織の問題に関わってきたけど、組織にとって人の問題とは常に、足りていないことであった、それは裏を返せば組織は常に人を求めているということでもある、特に重い期待は組織の在り様を変え未来を創ってくれる人である。

一方組織には必ず高いパフォーマンスを発揮する人がいるからあまりハイパフォーマが足りていないという企業に出会ったことはなかった。

それは僕が関わらせてもらった企業の多くは現業はしっかりと回っている素晴らしい企業だったからかもしれない。

さてそういったハイパフォーマーの行動は極めて合理的だ、成果は能力じゃなく習慣によって齎されると言うけど、まさにその通りで、データ分析をしてもはっきりと表れていた。

合理的習慣化された行動が成果につながっているのだ、一方、新しい価値や正解の無い問いに答えを出す活動を組織の中で行っている人たちの行動からは習慣性は窺えなかった、むしろ好奇心の強さであったり、組織の規範からはみ出すような人たちであったように思える。だから経営者からはかわいがられるけど、けっこう煙たがられているようなところもあった。

結論を言うと組織に必要なのはハイパフォマーではなく世の中に無い新しい価値を生む人だということになる。

では新しい価値はどう生み出されるのかと言えばずばり、創発であると認知科学では解き明かされている、創発は元々複雑系科学の中から出てきた概念である。多様な要素が場とこひーれんと(相互作用的)正のフィードバックを起こすことで新しい構造が生み出される(複雑系では自己組織化という)現象だ、人間社会においては生み出される新しい構造こそが価値なのだ、心理学ではこれは想像力という人が生来内在させている能力だと考える、脳科学では、ACC →LPFCという脳の部位から偶有性が生まれると解明する。認知科学では人が保有する多様な認知リソースの競合から生まれると説明する。

この、心理学、脳科学、認知科学の3つの立場を検証すると心理学が一番曖昧なことがわかる、創造力という無から生み出す仕組みをどうやら人間は備えていることは間違いないのだけど、新しいものを生み出すのだから創造力と言う力があるに違いないというアブダクション類推であることは明白だ。

認知科学が最も優れているのは創発の環境依存性に言及していることだろう

新しい価値は環境と協力しあって生み出されている。

これも、長年組織コンサルをしているといやになるほど目の当たりにする現象だ。

ある超有名企業では新商品開発担当者を中途採用した。

全国から新商品開発の志に燃えた応募者がこれに呼応して大量に集まりその企業は選りすぐって採用したのだけど組織に入っの後実際に担っていたのは資料整理だった。僕がこれを指摘したら、苦笑いしながらも真顔で仕事なんだから好き嫌いじゃなくてやってもらわなくちゃ困るんだと言い返された(嗚呼)これでは、いくら採用した社員が高い偶有性を発揮できる脳を持っていても新しい価値は絶対に生まれない。

逆もある、現業で高いパフォーマンスを発揮しているからと新しい価値を生み出せと異動させられた社内生え抜きの期待の星。

経営陣の期待からバックアップも万全だけど、そもそも彼は偶有性を排した習慣で成果を出していたのだから。新しい価値を絶対に生み出せない。

期待の星が直接任用されなくても

おおかた組織の上司はかつてのハイパフォマーだから偶有性は排除すべき悪行にしか思えていない。

これが僕が目にしてきた組織の実情である。だから、新規事業開発ではアイデアよりも巻き込み力が大事だなんて研究結果になるのだろう。

でも、巻き込み力では企業経営者が求めている他者との違い(優位性のある)を生み出せないのは明白である。

以上の実践と学術的裏付けを通して僕が到達した組織の未来を創る新しい価値を生み出す方法は以下のものとなる。

脳の偶有性は誰にでも備わっているものだから組織には足りている、価値が生まれないのは、成果主義、パフォーマンス信仰が根強いからに他ならない。

業績至上主義のパフォーマンス信者と伝統的形式主義(古典的な規定を愛する人達)者をまず組織の要職から外すことが必要だ。

新しい価値を生み出すことにとって彼ら彼女らは害悪でしかない。

社内のたっぷりとある偶有性を高めるには

環境を変える経験で社員が保有する認知リソースを活性化させることが重要だ。

社員の好奇心を高め越境を支援することこそが経営者のすべき新しい価値を生む環境造りである。

参考にすべき企業は、ソニー(遥か昔から社員の副業を認めていた)、未来工業(世の中97%の逆張りをし、上司には報告もしない)アイリスオーヤマ(猛スピードで全社一丸伴走方式による新製品開発)といったところではないだろうか未来工業は特にわかりやすいモデルだろう。

新しい価値を生み出せない企業は他社との差別化が出来ず市場競合の泥沼に沈んでいくそして、経済状況が悪化して市場自体が沈下をはじめたらもう生存のチャンスは無い。

だって、沈んでいく泥沼の中で沈んでいるわけだからね。沈んでいく泥沼の中でも浮き上がっている企業は決し市場自体が沈んで生き埋めになることはない今世の中でおきていることはそういうことだ。

そうならないためには新し価値を生み出す唯一の方法は組織が生存する唯一の方法でもあるのだ。

今更ソニーや未来工業にはなれない多くの経営者はそう言うだろう、ただし、自分の足元をちょっと確かめてみて欲しい。

業績至上主義伝統的形式主義でがちがちに固めた基礎の上に立ってその盤石さに安らぎを得てはいないだろうか。

そしてその盤石な基礎をさらに固めようとセメントを流し込んでいたりしないか、いますぐにまずはマネジメントと採用戦略および人事制度の点検を行うべきだと私は考える。