2023年4月18日火曜日

アリストテレスの見解を大谷翔平選手と認知科学で検証しよう自分が成長するための5つの問いとは?

人間の性格や人柄は習慣の積み重ねから生じてくるというのがアリストテレスの見解でした

どのような人柄を形成すれば全体として幸福な人生を送ることができるかを考察する学問が「倫理学」であり、その中心にあるのが「アレテー(徳)」というものなのです

したがって、徳には、思考に関するものと性格に関するものとの二種類があることになるが、思考の徳はその生まれと成長とを主として「教示(ディダスカリアー)」に負っており、まさにそれゆえに経験と時間とを要するが、それに対して〈性格の徳〉の方は習慣から形成される

NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2022年 5月 [雑誌] (Japanese Edition) (p.69). Kindle 版. NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2022年 5月 [雑誌] (Japanese Edition) (p.68). Kindle 版. 


さて、幸福な人生の実例として挙げられるのが大谷翔平選手である先日はWBCで日本中を幸福にしてくれた、幸福は伝播するといわれるがまさに、その実証となったのだ、

認知科学でも経験が知の創発に重要なリソースであると考える、大谷選手が素晴らしいのはその運動能力だけでなく、野球に誠実に向き合う態度や他者への気遣いといった人柄であることは誰も疑わないだろう。大谷選手はその人柄を習慣の積み重ねによって形成してきたことには多くの証言がある野球を始めた頃の父親との約束を世界一の選手になっても実践し続けているのだ声を出す、一生懸命走る、真剣にキャッチボールする姿はWBCで皆が見て感動を覚えた姿そのものである。大谷選手にとって父親や高校時代の指導者、プロ野球での指導者など秀でた教示に恵まれていた。そうして思考の徳を積みながら習慣によって性格の徳も野球のスキルも技術も向上させ、大きな夢を叶えつつあるのだ、

更にアリストテレスは

徳の場合は、さまざまな技術の場合と同様、われわれはまずその行為を現実化することによって身につけるのであると技術にも言及している

NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2022年 5月 [雑誌] (Japanese Edition) (p.72). Kindle 版. 

一方認知科学で上達はリソースの相互作用が環境によって引き出され創発を成し次の飛躍のための土台となると解き明かす。絶え間ない行為の現実化(其の都度複数のリソースの相互作用によって行われる)こそが上達への道なのだ。

練習による上達にはうねりがあり、直線的に上達が進むわけではなく、複雑なうねりが存在する。このうねりは、そこで用いられる複数のリソースが、微細に異なる環境の中で相互作用する中で創発する。そしてうねりは次の飛躍のための土台となる。

鈴木宏昭. 私たちはどう学んでいるのか 創発から見る認知の変化 (Japanese Edition) (p.60). Kindle 版. 

アリストテレスの時代に認知科学は無かったのだから、2千年経っても先端として通用する見解は驚嘆に値すると言えるだろう。2千年前のアリストテレスの哲学(倫理学)でも、現代の認知科学でも、良い習慣で良い人柄と卓越したスキルを作り上げろと言っているのだ。そして、それを実践しているのがまさに大谷翔平選手なのである。

さて、大谷翔平選手がアリストテレスの見解を実証していることはもはや明白だけど、成長に貪欲な人は自分に引き当てて以下ののような5つの問いを抱くに違いない。

問い1どんな行為がどんなパーソナリティを形成したか?

問い2どんな行為がパーソナリティをどう変化させるか?

問い3成長し続ける人材の内面の成長はどこからスタートしたのか?
問い4どのような体験が、内面をどのように成長させていったか?
問い5内面の成長を通じて発揮した社会的な価値は何か?

これらは自分が成長するための心からの問いであると言えるだろう。大谷翔平選手のような生得的に恵まれた肉体的優位性を持たなくてもいまここにある自分を成長を通じて社会で輝く存在にしたい、こういった成長意欲はきっと誰もが持っている願いである。

以下の4つの質問に「はい」と答える人は成長意欲の高い人だ。

1.仕事の領域を広げるため、何事にも関心を持ち、情報を集めている。

2.異なる分野で活躍する社内外の人とのネットワークを広げている。

3.情熱を持って仕事に取り組み、チャレンジしている。

4.自らの成長に限界を設けず、向上心や探究心を持って、自己を磨いている。

いまを受け入れ少しづつでも自分を変えていくために習慣化に向き合う、2千年前にアリストテレスが説いた道が今日においてもより良く生きる道なのである。