2023年4月28日金曜日

本当に大切なのは一人称の思いである。

 昨日ブログを書きながら思い出したのが回復期リハビリの入院中にリハビリで通った作業療法室で見かけたこの言葉である。「最も大切なのは自分の思いをかくということ。」これは心に刺さるよね。

また言葉の中に技術にかたよった見方という表現も出てくるけど、

生成系AIとはまさに技術のかんてんからのみにかたよった見方と言えるのではないだろうか、生成系AIが吐き出すアウトプットは、一見技術的なレベルが高く見える格好良く見えるのだ。



実際こんな出来事もあった。ベルリン在住のボリス・エルダグセンさんが出品した作品「Pseudomnesia: The Electrician」は、今年の「ソニー・ワールド・フォトグラフィー・アワード」でクリエーティブ部門賞を受賞した。権威ある国際写真コンテストで入賞したドイツ人アーティストが、出品したのは人工知能(AI)で制作した作品だったと打ち明けて、受賞を辞退した。
白黒の作品には世代の違う2人の女性が描かれ、年上の女性が後ろから若い方の女性に寄りかかっているように見える。

コンテストで入賞を果たした、AI生成画像で制作した写真作品

生成系AIに対しては期待とともに懸念も大きいのが現実だ。
思いが無い(存在しない)にも関わらず思いがあるように伝わる生成を行うことはすでに実証されたと言っていいのだろう。
この実例からもわかるように「思い」は作り手ではなく、観る側が創発する知なのだ。
これまで優れた作り手とは多くの観る人の思いを掘り起こして共鳴させる人であった、
AIは観る人が掘り起こされ共鳴するパターンを学習しそのパターンを元に生成を行う。
思いは無いけど思いがあるように繕うことができるのだ。これまでは作り手の思いを掘り起こし共鳴させる方法は作り手が保有するノウハウ(技能)と認識されてきた。
AIはその属人的ノウハウを再現可能な状態(但し人が認識できない形)で利用するのである。満点の星空のように散りばめられた僕たちの思いをかき集めてこれこそが思いだと見せつけてくるけど、そこに本当に込められた思いは無い。
その一方で本当の思いは行き場もなく漂う。
映画「星の王子さま」で星をかき集めて閉じ込めるシーンがあったけど、映画の教訓は「本当に大切ことは目に見えない」のである。この教訓に則れば本当に大切なのはAIによって見えるようにされたかき集めた思いの表象ではなく、そこには見えないひとつひとつ(ひとり一人の思いなのである。言い換えれば「ビッグデータ化された思い」じゃなく、「一人称の思い」ということだね。