世界を観測・解釈するフレームワーク(枠組み)には、大きく分けて2つの出発点があります。
「人の見識(アイデア・仮説)」 から導かれるもの
「科学(データ)」 から導かれるもの
従来の「理論」とは、人が持った見識や直感を、データによって検証・裏付けしたものでした。
一方で、まず大量のデータを観察し、そこから得られた新しいパターンや法則を後から人間が解釈するアプローチもあります。これがいわゆる 「データサイエンス」 と呼ばれる領域です。
どちらのアプローチであれ、これまでは「法則やフレームを見出す主体」はあくまで人間でした。だからこそ、両者の本質に大きな隔たりはなかったと言えます。
AIの登場による前提の揺らぎ
しかし、ここで気になるのが AIの存在 です。
もしAIが高度なデータ処理によって、人間には直感的に理解できないような「全く新しいフレーム」を発見したとき、私たちはそれを「理論」として受容できるのでしょうか?
ここまでの知の構築プロセスを比較すると、次のようになります。
従来の理論:
人の見識(仮説)→データの裏付け→ 理論データサイエンス:
データ→人による法則化・解釈→ データサイエンス(理論)これからのAI時代:
データ→AIによる法則化→ ???(これは理論と呼べるのか)
ブラックボックス化したAIが導き出す「正解だが解釈不能な法則」を、人間の知性はどう定義すべきなのか。データと理論の境界線が今、問い直されているのかもしれません。
