そのニコンがフィルムからデジタルに踏み出し成功を収めた時の中心者に当時の話を以前、聞いたことがある。
カメラの中心技術がアナログからデジタルにシフトして一番大きく変化したのが仕事の仕方だったそうだ。
その時聞いた話は大体、以下のようなものだったと記憶しています。
アナログ的仕事スタイルでは、ノウハウは秘伝で時間をかけて熟成させて価値を生むのに対して、デジタル的仕事スタイルではオープンで最新のテクノロジーをいかに早く取り込めるかに価値があって全く異なるものである。
この話は、日本の製造業に根ざしているアナログ的仕事スタイルとグローバルに進展するもの作りのデファクトスタンダードの対比とも言えるよね。
日本の「現場」では、すり合わせのための長時間の会議、終身雇用、一人前に10年、規定・規則・マニュアル作りと、ひたすら秘伝のレシピを熟成させることに専念している。
一方、デジタル的仕事スタイルではネットワークに点在するタレントやナレッジを弱い繋がりで引き寄せることに力が注がれていて、MOOC(Massive Open Online Course )など教育のレイヤーから仕組み化が進んでいるのだ。
オンデマンド、ソーシャル、ストラクチャルホール、トランザクティブメモリーといったキーワードはネッワークを最大限活かすキーワードだよね。
では、「労働時間」で考えるとどうだろう。
アナログ的仕事スタイルは、時間を掛ければ掛けるほど価値が高まる。
一方、デジタル的仕事スタイルは、最短の時間で価値を生み出すのが目的だ。
「時間」に対する考え方は180度違うのじゃないかな。
さて、このように考えてくると、最近問題になっている「長時間労働」はアナログ的仕事スタイルに原因があるように思えるけど、本当にそうなのかは疑問なんだ。
というのも、人は価値を生み出すために自らを鍛える時間が必要だ。
結局、デジタル的仕事スタイルでいいとこ取りしようとしても、「いいとこ」はアナログ的仕事スタイルから生まれてくるのだ。
世の中がデジタルにシフトしても日本の製造業が強いのはそこだよね。
自分の仕事が大好きな人は、自分が長時間労働だなんてあまり考えないし、むしろ時間管理され残業時間を制限された方が苦痛です。
「いいとこ」は趣味が仕事的なモチベーションを苗床としているのだね。
そして、個人的には「働き方改革」は、「いいとこ」を生み出す人になるのか、「いいとこ取り」をする人になるのか自ら選択しその道に励むことを迫ることになる気がする。
「いいとこ取り」をする人は長時間労働から解放され、「いいとこ」を生み出す人は「長時間労働」という概念から解放されるのだ。
アナログは美味しい