根がない。
だらか本来は土も要らないのだけど自分を支えるために偽の根を使う。
偽の根だから栄養分を吸い上げることはしない。
それなのに強い生命力で水と空気と日光だけで地表を覆ってしまう。
逆に言えば、水と空気と日光のバランスが良いところにしか繁殖しないのだ。
奥入瀬など苔が見事に繁殖している場所は、水も、空気も、日当たりも、つまりその場所の環境がとても良いことを証明していると言って過言ではない。
一方、庭や盆栽に苔を張ったり、苔玉などで苔を使うのは、それらの水と空気と日光のバランスが良いことを見る人に意識させたいからに違いない。
苔にしてみればこれは良い迷惑だろう。
何しろまるでうまくいっているように偽装するために使われるのだ。
僕たちは純粋なものを借りて純粋であるかのように装いたがる。
だから僕は彩られた純粋を信じない。
シッポゴケで偽装